先生『ここに来て何だが、誰か歌を歌ってくれないか?』
紗希『私が歌います!』
男子『ウェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい』
紗希『それでは、花に亡霊』
もう忘れてしまったかな、夏の木陰に座ったまま、アイス を口に放り込んで風を待っていた、もう忘れてしまったかな世の中の全部嘘だらけー、本当の価値を二人で、探しに行こうと笑ったこと、忘れないように、色褪せないように、形に残る物が、全てじゃないように、言葉をもっと教えてー、夏が来るって教えてー、僕が描いてる目に写ってる、花つき亡霊だー、風にスカートが揺れてー、思い出なんて忘れてー、浅い呼吸をする、汗を拭って夏めくー。
紗希『歌っちゃいましたかな』
男子『ウェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい』
女子『イェーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい』
先生『良かったぞ』
紗希『ありがとうございます!!』
茜『紗希ちゃん付き合って、ください!』
紗希『んーー5点』
茜『いやぁったーー!』
紗希『ちなみに、100点満点中の5点ね』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!