あなたside
廉から逃げてきて、人影の少ない所に来た。
思いっきり泣いた。
環奈から言われたこと。
廉を突き放してしまったこと。
他にも、恩人の顕嵐くんに酷いことを言ってしまったこと。
他の人にも迷惑をかけてしまったこと。
全部全部思い出した。
廉達にアイツらのこと言ったら、廉達に迷惑かけちゃうけど、環奈のことは何も言われてないから相談しようと思ってたけど、もう無理なんだ。
その時、誰かが私の名前を呼んでこっちへ向かってくる
怖い…怖い…
また、アイツらだったらどうしよう
そんなことを思ってしまう
その時、肩に手が置かれた
??)あなた?
あなた)環奈… グズッ
環奈)あなた…
あなた、ゴメン!あんな酷いこと言って。あの噂、廉のファンクラブの子達から聞いたんだよね
あなた)やっぱり…
環奈)ゴメン。私、その子達の方を信じてた。あなたがそんなことするはずないのに…
あなた)こっちこそゴメン。
無視して、私も酷いこと言ったし…
環奈)それで…さ
教えて欲しいんだ。なんで私たちを避けてるの?
あなた)…
環奈)嫌ならいいの。無理に言わなくて
あなた)ううん。言う。ちゃんと言う。
そして全部環奈に話した。
すごく嬉しかった。
自分に仲間が出来たような気がしたから。
環奈に気づいてもらえたから。
環奈が信じてくれたから。
環奈)話してくれてありがと。
あなた)私こそ、話聞いてくれてありがとう
環奈)この事、廉たちにはまだ言ってないんだよね?
あなた)言えるわけないよ、廉たちに迷惑かけたくないし…無視したのは私だし、私に言う権利はないと思うけど、勝手に悪口言ってるとか言って変な噂流されて、友達辞められちゃうのも嫌だし…
環奈)そうだよね、でも、言った方がいいと思うよ。
あなた)え?
環奈)きっと廉たちは、ずっと仲間でいてくれるよ!どんなことがあっても!
あなた)ありがと、環奈 ニコッ
環奈)無理して笑わなくていいんだよ?
あなた)へ?
環奈)泣いてもいいんだよ?泣くのは恥じゃないよ?相手は私なんだから!たくさん泣いて?
あなた)ありがとぉぉぉぉぉぉグズッ
かんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁグズッ
環奈)おぉぉぉ。急だなぁ笑
あなた)うわぁぁぁぁぁぁん
つらかったよぉぉぉぉぉぉぉ
環奈)よしよし、頑張った頑張った
よかった。環奈に信じてもらえた。
私、勇気出して行ってみよっかな、廉たちに
何かあったら私がかばおう
そんな覚悟で言うことにした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!