第4話

運命の始まり
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2018/10/02 04:18
カールハインツ
カールハインツ
...いやー、あなたさんも大きくなったね...。
あなた

え...?カールハインツさん、私と会ったことがあるんですか?

カールハインツさんに案内されながら一緒に「逆巻家」へと歩いていると、ふいにカールハインツさんがそんなことを言った。
カールハインツ
カールハインツ
...ああ、まだ君が本当に小さい時にね...君はその時の記憶もなくしているだろうから、覚えていなくて当然だよ...。
あなた

え...?そ、そうなんですか?

確かに、お父さんは遠い親戚だと言っていたし、私が幼い頃に会っていてもおかしくはないだろう。でも...私は今まで気がついた時には、物心ついた時にはすでにお父さんと暮らしていて、記憶の始まりはお父さんとの暮らしだった。そして今まで疑問に思わずに過ごしていたが、考えてみればお父さん以外の...「親戚」という人達と会ったことがなくて、遠い親戚だというカールハインツさんが初めてなのだった。
カールハインツ
カールハインツ
ああ...。
そう言ってカールハインツさんは静かに微笑み、また少し歩いて...。
カールハインツ
カールハインツ
...ついたよ、あなたさん...。ここが、君が今日から私の息子...シュウと暮らすことになる家...「逆巻家」だよ...。
あなた

...っ、ここが?

カールハインツさんにそう言われ、見上げると目の前には広大な屋敷が建っていた。思えば、今までお父さんと暮らしていた家もそれなりに大きな屋敷だったけれど...それよりもはるかに大きなお屋敷のようで、私は圧倒されながらも驚いた。
あなた

(本当に広い屋敷...本当にここで暮らすことになるの?カールハインツさんと...息子のシュウさん、と...)

カールハインツ
カールハインツ
...さあ、ようこそイヴ...いや、あなたさん...。どうぞ中へ入って...。
あなた

え...あ、は、はい!(え...?確かに今、イヴって...。)

私は少し疑問に思いつつも、カールハインツさんに促されるままその屋敷へと足を踏み入れて...そこから私の運命は、大きく回りだしたー...。

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