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第27話

26.
792
2022/08/22 01:50
あなた   side






あれから数週間が過ぎ、


私はしばらく、あそこのホストには行かなかった。


だって、行く用事もないし、、…


行く必要もないし。




だから、えなに頼みこまれても、「用事がある」って言って何度か断った。


そりゃ、えなの頼み断るとか毎回罪悪感で押しつぶされそうだし、


断った後、トイレの個室でめちゃめちゃ落ち込んでるからね、?!





流星くんとは、2、3回程しか連絡を取りあっていなかった。


たまに電話がかかってくるけど、


最近仕事の量が半端じゃなくて、疲れが溜まっているせいか


家に帰ってもすぐに眠りについてしまう。


その分、電話も気づかなくて。


だから、その翌日にしっかりと謝罪している。


ほんっとに申し訳なさすぎる。




そんなことを考えてしまう今日この頃。


















今日は仕事が早く終わったので、仕事帰りに、


私の大好きで大好きで仕方がない


個人経営のコロッケ屋さんに行く。





ほら、前にえなから貰ったコロッケ無料券。


あれを使わせていただきます、!!笑


ずっと財布にしまってて、いつ使おうかめちゃめちゃ迷ってたんだけど


やっと、ついに、使える時が来ましたっ!!


ありがとうございますっ!!





おばさん「あれ、あなたちゃん!久しぶりやなぁ!!!」


「最近、全然来てくれないから心配やったわ。笑」


『ごめん、ごめん、笑』


『なんか、仕事の量増えてきてさ、笑』


『もう、ほんっとにコロッケが恋しかったんよ〜』


おばさん「そうかい。そうかい。笑」





そう、ここのおばさんとはもう、行きすぎて仲良くなっちゃって。


名前まで覚えてもらっちゃった。





「今日は?どれにするん?」


『あ、えとねっ、じゃーーーん!』





財布から、無料券を取りだして


おばさんに見せつける。


おばさんは、いつもの笑顔でその券を預かり




おばさん「これね。はいはい。笑」


「どれにするん?」




優しい口調で聞いてきた。




『そりゃ、いつものポテトコロッケでしょ。笑』


おばさん「ほんまに、好きやなぁ笑」


『これが一番なんやもんっ笑』


主人「あれっ、あなたちゃんか!いらっしゃい!」


『おぉ!!おじさん!!元気そうやね。』


主人「そっちも、まーた美人になってるやんな。」


『またまたぁ笑』




おばさんの後ろから、ひょこっと顔を出すと


元気な笑顔で話しかけてくれたのは


ここの主人のおじさん。


ここ、昔から夫婦で経営してるらしく


私はその古参だ。






おばさん「ポテトだけでいーんかい?」


『うん。それ10個!』


おばさん「ちょっと待っててな〜。」





そう言うと、おばさんは厨房の方に戻って


向こうの方で揚げたてホヤホヤのものを袋に詰めているのが見えた。


相変わらずなおばさんの優しさに感動して


ふっと、笑みがこぼれた。






「もしかして、君があなたちゃん?」


『、、え、?』





後ろから勝手に名前呼ばれて


驚いて後ろを振り向く。





「幻のあなたちゃん、やっと見つけた笑」





















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