第13話

12話
29
2021/05/07 11:39
あ、もう無理…














思いっきり殴られる







そう思ったけど痛くなかった






恐る恐る目を開けると…







目の前にいたのはいつも助けてくれるあいつ





鈴原萌
鈴星…?
鈴星大雅
何やってんだよ
神崎胡桃
鈴星…
鈴星大雅
何してんだって…
神崎胡桃
萌ちゃんが急に殴ってきて…
鈴原萌
な!殴ってないよ!
神崎胡桃
そんな…ひどい…
神崎胡桃
そうやって…嘘ついて……
鈴原萌
ち、ちが…
神崎胡桃
うぅ…ヒッグ…
自分は悪くないと嘘を付き、嘘泣きまではじめた







鈴星大雅
…最低だな
神崎胡桃
ホントだよ…萌ちゃん…
あぁ嫌われた





こんなんで終わるんだな






私の初恋って






辛いや






鈴星大雅
最低だな…神崎って
鈴原萌
え?
神崎胡桃
…え?
神崎胡桃
な、何言って…
神崎胡桃
だって先に暴力したのは萌ちゃんの方で…
鈴星大雅
もともと嘘ついてんのなんて知ってんだよ
鈴星大雅
今までの鈴原に対してのいじめも全部お前だろ?
鈴星大雅
いろんな人から聞いたよ
神崎胡桃
………
神崎胡桃
でも…証拠ないじゃない…
鈴星大雅
証拠ねぇ、これ見れば?
神崎胡桃
…っ!?
鈴原が見せたのは私が神崎にいじめられている動画だった






鈴星大雅
いやぁ…こっそりついてきて正解だったよ
鈴星大雅
まさかこんなことになってるとはなぁ?
神崎胡桃
っ…
神崎胡桃
ずるいんだよ…萌ちゃんは…
神崎胡桃
私はずっと…鈴星のことが好きだったの!
神崎胡桃
なのに…なのに…萌ちゃんばっかり…
神崎胡桃
鈴星に構われて…私だって…好きだったのに…
鈴星大雅
だからって人を傷つけるのは良くない
鈴星大雅
それに俺には好きな人がいるからさ…
神崎胡桃
……
神崎胡桃
もう知らないっ!



神崎は泣きながら去っていった










鈴星大雅
大丈夫か?
鈴原萌
うん、ありがとう
鈴原萌
っ…いたっ
鈴星大雅
怪我してるな…歩くの難しいもんな
鈴星大雅
ほら
そう言うと鈴星は私に背中を向けてきた












鈴原萌
で、でも…
鈴星大雅
怪我人はおとなしく乗りなさい
鈴原萌
ぅ…はい
そう言って私は鈴星におんぶされた







鈴原萌
鈴星…こういうのは好きな人にやるべきなんじゃない?
鈴星大雅
はぁ…何言ってんだか
鈴原萌
だってさっき…“好きな人いる”って…
鈴星大雅
俺…こういうの好きな人にしかやってないんだけど?
鈴原萌
………へ?
鈴原萌
えぇ!?///
鈴原萌
え!?え、え、えぇ!?///
鈴星大雅
めっちゃ動揺するじゃんw///
鈴原萌
だ、だって…だってだって!///
鈴星は私をおろして真剣な顔をしている








鈴星大雅
俺の好きな人は鈴原萌。あなたです
鈴星大雅
俺と付き合ってくれませんか?
鈴原萌
…はい、私で良ければ
鈴星大雅
っ!鈴原じゃなきゃ嫌だっ!

そう言うと、彼は私のことをギュッと抱きしめてきた







鈴原萌
わっ!///は、恥ずかしぃ…///



夕日が差し込んでオレンジ色に輝いているその場所で


私は、私達は恋人になった









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