あなたside
あの言葉を聞いた時、
やっぱりそうだよねって諦めがついた。
廉くんの中には、桜来さんしかいなくて、私なんかこれっぽっちもいない。
だから…あの時、廉くんに告られてもあまり嬉しくなかった。
廉くんは、私じゃなくて、桜来さんが欲しいから。
桜来さんを忘れようとして、私を利用してるみたいなものだから。
私は、その廉くんを忘れたくて、じんと付き合うことを決めた。
だとしたら…
廉くんと同じことをしてるのかもしれないね。
目が覚めたら、私の部屋のベッドの上で私は横になってた。
あれ…?何があったんだっけ?
あぁそうだ。
私、廉くんに抱かれると思ってなくて、その場に倒れ込んじゃったんだ…。
そう言って、じんはこの部屋をあとにした。
やっぱりじんはいつも私を助けてくれて
私のことばかり考えててくれて
心配してくれて
じんにお礼しないとだよね。
よし、明日は絶対にじんに喜んでもらえる、幸せな一日にしてみせるっ!!
ご飯作るのが苦手でも作るし、お掃除もするし、なんでもする!
だから、それまで待っててね?笑
扉の向こうから声が聞こえ、ウトウトしていた目が、覚めてきた。
ガチャ
バタン
あぁ〜ダメだ〜…じんに心配させすぎだぁ〜。
とりあえず追いかけた方が…いい?
迷ってたらじんがご飯を持ってきてくれた。
そんなことされたら…
さらに惚れる…笑
馬鹿やろぉっ!笑
クソっ!私めっちゃじんにもてあそばれてる??
私もじんが喜ぶような…照れるような…こと、しないといけないかな?
そう言って立ち上がったじんの服の裾?を手で掴んだ。
これ絶対顔赤い。
めっちゃ暑いもん。
てか、じんの顔見れない…。
わ、わかった!?
今…じんはどんな顔してるの…?
顔見ることできないからわかんないけど、
きっと私と同じ、赤いお顔をしてますか?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。