勇太side
今日の帰りは、いつものように優太と一緒に帰った
ほんとに俺は強いのかな…
あなたと一緒に住んでるしって
そう思い込んで逃げてるだけなんじゃ…
去っていく優太の背中をずっと眺めた
そうだよな、俺はあなたのことが好きってことに変わりはない
家にて…
俺よりもあとにあなたが帰ってきた
また意識が無くならないように、優しく接しないと
やっぱり喋り方変…
緊張してんのかな
俺とはもう、仲良く話してくれないの?
いつもならこんなこと言わない
あなたが怪我したら困るから
でも今回だけはあえて言う
元通りになりたいから
そう言うとうなずいて自分の部屋へ閉じこもった
やっぱりもう元に戻れないの…?
コンコン
呼んでも返事がない
もしかしてもう嫌われたのかなってドアノブに手をかけた
鍵は閉まってなくて扉はゆっくりと開いた
扉を開くと、あなたは勉強机の上にノートを広げ、その上に伏せて寝ていた
近くにあった毛布を肩までかけ、あなたの顔をじっと見つめた
ごめんねあなた、あまりにも可愛すぎてキスした
気づいてなかったからよかったけど、もし起きてたら大変なことになるよね笑
もう逃げたりなんかしたくないから
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。