あっっっっ、匂い以外じゃ感情の読めないぞ、この2人!!!
たしかに!!!!!
無表情な2人の会話はなんだか気が抜ける。
なんなんだ、この人……。
俺には声をかけずに部屋を出るあなたさん。
追いかけようとした俺を、
義勇さんが引き止める。
俺は返事をしてあなたさんを追いかけた。
気づいたら死にに行くような人って、
どういう事だ?
あんなに強いのに、なんで……。
え、俺の名前言ってたよな?
聞いてなかったのか?
あなたさんは真っ白な長めの羽織を身にまとい、鞘から柄頭まで真っ白で雪の結晶を象ったような鍔の刀を携えていた。
あの時はよく見てなかったけど、刃も真っ白だった気がする。
俺とは真反対の刀だ。
門に行けば、皆揃っていた。
あっっっっ、既視感!!!
この人を前に微動だにしないとは、
流石はあなたさんだな…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!