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第1話

殺意の匂い。
3,249
2020/01/27 17:47
俺、竈門炭治郎は絶体絶命だった。
敵の血鬼術で周囲の気温が下げられて、体が動かしずらく呼吸も上手く使えずにいた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
はっ…………はぁっ……………
鬼
所詮は雑魚か
このまま、ここで死ぬのか?
いいや、死ねない!!!ここで、死ぬわけにはいかない!!!俺にはやらなきゃいけないことがあるんだ!!!でもどうする?どうやってこの状況を……!!!
鬼
死ね
貴女
貴女
竈門炭治郎
竈門炭治郎
えっ
気づいたら《その人》はそこにいた。
いつからそこにいたのかはわからない。
けど俺は鬼の後ろにいた人から、殺意の匂いを感じた。感じたから、身を屈めた。
鬼
え"っ
貴女
貴女
……
その人は鬼の頸を切り落としたが、その刃は俺の頭の上を掠めた。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
…!?!?
屈んでいなければ、俺の頸も切られていた。
貴女
貴女
…あ、生きてる
 なんか、“あ、花が咲いてる”感覚で生存確認されなかったか!?!?
竈門炭治郎
竈門炭治郎
当たり前だろ!!何するんだ!!俺も殺す気だったのか!?
貴女
貴女
いや、死んでるかと思った
竈門炭治郎
竈門炭治郎
死んでない!!…でも、助けてもらったのは事実だから、ありがとう!!
俺がお礼を言うと、不思議そうな顔をして首を少しずつ傾げていき、ついに90度くらいまで傾いていた。
貴女
貴女
?………なんで“ありがとう”って言うの?変なの
竈門炭治郎
竈門炭治郎
助けられたからだ
貴女
貴女
助けてない
きっぱりと否定される。
竈門炭治郎
竈門炭治郎
俺は!助けられた!
貴女
貴女
知らない。助けてない
竈門炭治郎
竈門炭治郎
俺がそれでいいから、いいんだ!
貴女
貴女
変なの
竈門炭治郎
竈門炭治郎
変じゃない!!

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