俺、竈門炭治郎は絶体絶命だった。
敵の血鬼術で周囲の気温が下げられて、体が動かしずらく呼吸も上手く使えずにいた。
このまま、ここで死ぬのか?
いいや、死ねない!!!ここで、死ぬわけにはいかない!!!俺にはやらなきゃいけないことがあるんだ!!!でもどうする?どうやってこの状況を……!!!
気づいたら《その人》はそこにいた。
いつからそこにいたのかはわからない。
けど俺は鬼の後ろにいた人から、殺意の匂いを感じた。感じたから、身を屈めた。
その人は鬼の頸を切り落としたが、その刃は俺の頭の上を掠めた。
屈んでいなければ、俺の頸も切られていた。
なんか、“あ、花が咲いてる”感覚で生存確認されなかったか!?!?
俺がお礼を言うと、不思議そうな顔をして首を少しずつ傾げていき、ついに90度くらいまで傾いていた。
きっぱりと否定される。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。