むかついた。
……ふざけるな、ふざるな、ふざけるな!!!!
ふざけんじゃねぇぞ!!!!
権八郎も、紋逸も、誰かが傷ついたり、死んじまったらちゃんと悲しそうにしてたぞ!!!!
すげー悲しそうだったぞ!!!普通悲しいんじゃねぇのか!?嫌なんじゃねぇのかよ!!
それを、悲しくないだと!?いずれ死ぬだと!?
いずれって何だか分かんねぇけどよ、それってつまり今じゃねぇんだろ!!
だったら悲しいって言えよ!!!
悲しい気配してんのに、悲しくないって嘘つくんじゃねぇよ!!!
言ってやりたかったのに、言えなかった。
鬼をぶった斬ることにしたけど、斬らねぇって、時間を稼ぐって、なんだそれ。
俺は、お前を何一つ好きになれねぇ。
大嫌いな弱味噌野郎だ!!!!
鬼の方へと向かうのに走ろうとしたら、あなたはもう遠くにいた。
嘘だろ、同時にむしろ俺の方が先に走り出しただろうがよ!!なんでもう、そんな所にいるんだよ!!!
半々羽織みてーに早ぇ!!いや、半々羽織より早いか!?
指をさした先には、2人いた。
ちょーちょーって呼ばれる、小太りなじじいと痩せ細ったじじいがいた。
ちょーちょーがもう1人のじじいの肩をさする。
気配が、変わった!?!?
あれ、鬼だ!!!!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。