第42話

触れさせてたまるものか。
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2020/03/09 02:22
小さい頃の記憶だった。
俺は弱かった。女の子よりも弱かった。
弱くて、泣き虫で、引っ込み思案な俺だったが強くなりたかった。

どうやったら、強くなれるの?
貴女
貴女
死ぬほど鍛えるしかないだろ
僕でも、強くなれるかな。
貴女
貴女
人間は簡単に死ぬ
そ、そうだよね。
貴女
貴女
だから、死なないように鍛える
うん、僕頑張るよ。だから、友達になってくれる?
貴女
貴女
友達にはならない
え?
貴女
貴女
もう仲間だろ
ありがとう、あなた。
貴女
貴女
しっかりしろ、敢
うん。
真菰
真菰
敢さん、どうしたら強くなれるかな?
死ぬほど鍛えるしかないよ、真菰。
俺も死ぬほど鍛えたから。
錆兎
錆兎
敢さん
おいおい、錆兎。またあなたに勝負を挑んだのか?
俺に勝てないのに、俺より強いあなたに挑んだら駄目だろ。ほら、傷の手当するぞ。
冨岡義勇
冨岡義勇
い、敢…さん…
義勇、もっと自信を持て。お前なら大丈夫だ。
鱗滝左近次
鱗滝左近次
鱗滝さん、厄除の面をありがとうございます。試験、必ずあなたと共に受かって戻ります。
貴女
貴女
っ、敢……敢、私は……私は…………!
お前の判断が……正しかった、逃げろ……!ここは俺が食い止める……!!お前は受かれよ!!
鬼
小僧、お前は何を望む
神代敢
神代敢
あなたの為の力…!!!!
鬼
いいだろう
あなたは強かった。

あなたは優しかった。

あなたは可愛らしかった。

あなたは美しかった。

あなたは俺を友達と呼んでくれた。

あなたは俺が死ぬのを悲しそうに泣いてくれた。

あなたは俺の全てだ。

あなたは俺の光だ。

あなたは俺のものだ。
何人たりとも、触れさせてたまるものか。
神代敢
神代敢
もうすぐ、会えるね……。あなた
鈴の音を鳴らし、立ち去った。
貴女
貴女
…?

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