第19話

いまだに理解できない。
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2020/02/13 22:33
嘴平伊之助
嘴平伊之助
あなたは半々羽織の知り合いなのか?
貴女
貴女
半々……?…………義勇か
半々羽織って、羽織の柄のことか。
貴女
貴女
知り合い、そうだな。弟弟子だ
嘴平伊之助
嘴平伊之助
弟弟子だと!?じゃあ、権八郎もか!
貴女
貴女
そうなるな
嘴平伊之助
嘴平伊之助
じゃあなんで雪柱ってなってるんだ?水じゃねぇのか?
純粋故の質問か、
わかった上での質問か、
今どきの奴らの質問は面倒なことばかり聞くな。
貴女
貴女
私の家系は雪の呼吸の修業をしなきゃいけないんだ、生まれてからずっとしなきゃいない。それが決まりだったらしいが……。女の私はまずは基礎作りとしてじじ様の知り合いだった、鱗滝さんの元で水の呼吸を修業して鬼殺隊に入ってから修業した。1人で
嘴平伊之助
嘴平伊之助
1人でか
貴女
貴女
そうだ、1人でだ。学ぶための書物は山のようにあったから、難解ではなかった
嘴平伊之助
嘴平伊之助
じじ様ってのが、いたんじゃねぇのか?
貴女
貴女
死んだ。鬼殺隊の試験を終えた日に
嘴平伊之助
嘴平伊之助
……
貴女
貴女
帰ったら死んでた
嘴平伊之助
嘴平伊之助
……悲しくねぇのかよ
貴女
貴女
悲しくないさ、人はいずれ死ぬ。悲観的になってる暇ない。尼宮家の家訓《死ぬ如きで臆するな》、だ
その時の気配で、
嘴平伊之助の感情が伝わってきた。
これは、怒りと悲しみの気配だ。
何故不死川も、竈門炭治郎も、黄色いのも、不死川の弟も、みんなだ。
何故、自分が死ぬわけじゃないのに、自分のことみたいに悲しんだり、怒ったりするんだ?
まったくもって、いまだに理解できない。
嘴平伊之助は言いたげだと思ったが、状況が変わる。
貴女
貴女
来た
嘴平伊之助
嘴平伊之助
!!
貴女
貴女
竈門禰豆子、起きろ。兄たちを起こしてこい
竈門禰豆子
竈門禰豆子
む!
貴女
貴女
左から来るぞ、とだけ伝えておけ。嘴平伊之助、時間を稼ぐぞ
嘴平伊之助
嘴平伊之助
お、おう!!
竈門禰豆子を抱えた私、そして嘴平伊之助は木から飛び降り着地する。
竈門禰豆子は素早く、兄たちの元へと向かった。
貴女
貴女
気配はわかるか?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
おう、少しだけ感じるぜ!鬼の気配だ
貴女
貴女
無惨の鬼とは違い、十二鬼月で強さの格が分からない。倒そうと思うな、ただ時間を稼げ。2人じゃ能力が分からない以上、無謀だ
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺に指図すんな!!
貴女
貴女
……… なら指図じゃない、提案だ。時間を稼いだ方が安全だ。それは、お前も分かるだろ
そう言えば、嘴平伊之助はグモった声を出しながらも頷いた。
貴女
貴女
じゃあ、行くぞ
そう言って、私と嘴平伊之助は鬼のいる方へと走った。

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