あ
え?
風呂場へ行く途中で、不死川の弟が寝ている部屋の前を通ったら不死川の弟が出て来た。
起きたのか
………え?ちょっ、ゆきっっ!!なんっ
部屋に戻ったと思ったら、羽織をかけてくれた。
なんだ?
っっっ、透けているんですっ!!寝巻きから!はっっは、はだっ、肌が…!
そうか
じょっ……っ、お願いですから、お体を冷やさないでください……!!!
今、女性って言おうとして言わなかった。
なんか察したか?まあ、いいや。
風呂は諦めよう。
ここで会ったのもなんだ、話を聞け。暇していた
は、はい……俺で、よかったら……
そうしてくれ。あと、盗み聞くくらいなら堂々と聞いておけ。黄色いの
!?
弟が勢いよく振り向けば、隣の部屋で寝ていたであろう黄色いのが顔を出す。
な、なんでわかったの……??え、炭治郎みたいに鼻いいの??それとも、耳がいいとか??
気配バレバレなんだよ。もう少し気配を隠せ
手招きして縁側に座らせる。
そうだな、どんな話をするか…
自分で言っておいて?
人に話をするのは初めてなんだ。聞かれたら答える、聞きたいことがあるから聞く、それしか会話はしたことないからな
そう、だったんですか……
じゃ、じゃあさ、1つ聞きたいことがあって……。いいすか
いいよ
そのっ、アンタの使う、呼吸……なんだけど……それ、使い続けていいものなの?
黄色いのの質問は、実に的確だった。
核心をついていて尚且つ、気づいているのが表情でわかる。こいつ、耳がいいな?
は?
…………気づいたか…。耳がいいのも困り物だな
…そりゃ…聞こえたんだから、仕方ないだろ
ゆ、雪柱…さま……?
弟の方は何が何だかって顔だから、仕方ない。
今回話すのは、私の呼吸の話にするか。
私は呼吸の話をした。
どんな技があるのか、どんな効果があるのか、
どんな戦いに適してるのか。
そして、どんな副作用のあるものなのか。
最後のが1番青ざめた顔してたな、2人は。
私が淡々と呼吸の話をしたのだった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!