第83話

繋ぐのは誰のため
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2023/05/12 08:39
ソーラ視点
(なまえ)
あなた
  ッ  、 間に合った 


誰しもがボールが落ちると思っていた中、



1番遠くにいたはずの人が真っ先に駆け出していました



近くにいたクミさんやあちゃみさんよりも先に。




私達なら間に合わなかった。






ただ、流石私達の頼れるあなたさんです



音の魔法使い世界最強なだけあります。



彼女は地面へと向かうボールに間に合ってくれました


(なまえ)
あなた
クミさんっ



クミさんに合図をして、ボールを繋いだあなたさんは




とても 、とっても、






かっこよかったです。





クミ
クミ
ソーラ、


と、 クミさんに目で合図をされると


此方も受け取る準備を始める。




ふわり、 宙を舞ったボールは私の元へ
トラゾー
トラゾー
"ここは俺に任せて先に行け!"



あら 、 ボールが急にゆっくりになった 。





なんで… トラゾーさん何を、?




違う、ボールだけじゃない。


私たち皆が遅くなってる。 これは… トラゾーさんの能力かしら、



日常組さんは普通に動けてる。
クロノア
クロノア
"猫のトリック"



皆の動きがゆっくりな分、早く動く人の動きは目立って見えて



クロノアさんの小さな声でさえも聞き取れてしまいました。




透明になった、クロノアさんが。



先程、空中の何も無いところでボールが弾かれたのはクロノアさんの


仕業だったんですね。




あーよかったぁ、あんなことが起きた原因がわかって
赤髪のとも
赤髪のとも
ソーラ  ッ


ともさんが焦ったように声を上げる。



あぁそうか、何原因わかっただけで喜んじゃってるのよ私。





このままじゃボールに間に合わない、



そしてきっとクロノアさんが遠くにボールを弾く。




動きたい、動きたいよっ。




動けない、鈍い、足が鈍い、自分が鈍い。



もどかしい、悔しい 。
ソーラ
ソーラ
"麒麟草の揺れ"



体が軽くなった。



小さな黄色い花を咲かせる麒麟草、


その軽やかなイメージを魔法に乗せてみた。



初めて使った魔法ですけど、上手くいったのでは?




これで走れる、 伝話に残る麒麟の様に早く。



クロノア
クロノア
まじかっ


想定と違う展開にクロノアさんが焦ったように声を上げ




急いでボールを弾いた。



でも、今の私なら間に合う気がする。



ボールへ向かって自分で自分じゃないような足を動かす。




必死に動かして、手を伸ばす。




その指先に、ゆっくりとボールは収まりました。

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