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第86話

終わりが見える(2)
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2023/08/03 02:05
赤髪のとも視点



よっぴ〜(鳥)
よっぴ〜(鳥)
"   恒信風  "




辺りの空気が、 鳥ちゃんの風に吸い込まれた気がする




クミ
クミ
ちゃんとりー 、 … すごい




ほら、 珍しくクミさんが人に憧れてだいこうふんだよ



目ん玉きらっきら。


ボールは風に乗って、無駄なくゴールへと運ばれていった。




傍から見たら、まるで吸い込まれたみたいに。




すごい、すっごいよ鳥ちゃん!!!



(なまえ)
あなた
鳥さん ッ!!!
珍しくあなたさん、でかい声出したな。



そんな興奮することあるんだあなたさんでも。





って 、 なんでそんな怖い顔してんの?






変だな…。



素直にそう思ってその視線の先を辿ってみた。





そこにはでっかい いつもの鳥ちゃん。








が、ゆっくりと傾いた。






膝の関節を無くしたみたいに、膝から崩れ落ちた。






人間、力が抜けちゃうとこんなにも簡単に崩れるんだ。





思考も視界も、目の前の様子も、よく言うみたいにスローモーション。



赤髪のとも
赤髪のとも
鳥ちゃん ッ!?


やっと声が出た。




みんなもハッとした様子で鳥ちゃんを見る。





さっきよりも傾いてる。





さっきまで開いてた瞳が閉じた。








鳥ちゃんの馬鹿。




なんで1人で頑張るんだよ。




せっかくゴールしたのに。





喜びたい。





俺が早く気がついて止めてれば。





みんなにもこんな心配かけて、許さないから。







とりあえず、俺自身が今1番許せないけど。





そんな許せない鳥ちゃんを、許せない俺自身が、助けてあげたくて仕方がない。






あなたさんに頼ってばっかじゃ、リーダーとして、情けないだろ?







ソーラさんもいきなり初めての魔法を使えた。







ソーラにできるなら、俺にもできる。





やらなきゃいけないんだよ。


アイク
アイク
Yさん…



あーあ、 いちばん仲良い人にこんな顔させて。






鳥ちゃんのばーか。



赤髪のとも
赤髪のとも
"   浄火    "




鳥ちゃんに向けて俺の指先から出た、炎を放つ。





みんなが一瞬焦ったような顔をするけど、誰も止めない。




それは多分、みんなが俺を信用してるから。






鳥ちゃん色の、緑の炎が鳥ちゃんを包む。





頼む、上手くいってくれ。





俺の炎は攻撃力が高い。






間違えれば、俺が鳥ちゃんを苦しめるかもしれない。




そう思いながらも、俺は辞めない。




鳥ちゃんが目覚めるまで。





ねぇ? 目を開けてよ、













俺の1番の、右腕。

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