第6話

5話
271
2021/05/30 00:57
???side
???
???
舞緋都に会いたい
俺は、母にそう告げた。だけど母は、とても…
母
……そうね。分かったわ。
悲しそうだった。
ーーーーーー


地下への階段を降りて行く。カツカツと1段1段音がなる。
???
???
…どうして、舞緋都を地下に置いてきぼりにしてるの?
母
…危険だからよ…
???
???
…それが、舞緋都の為になってると思ってる?
母
勿論よ…私は─
???
???
馬鹿言うなよ。父さんに置いてきぼりにされて、まだ懲りてないのか。今の舞緋都は母さんと同じだよ。
その言葉を聞いて、母は言葉に詰まる。
???
???
…母さ─
母
黙って
母から言われたその言葉には、今までとは違う、重みのある声だった。そして、母の見ている視線の先には─
???
???
…舞緋都…
初めて見れば、誰もが思うほどに酷い、とても悲惨な状態にある。


俺はそんな舞緋都を見て、自身の血の繋がりはない母を退け、牢屋の鉄格子を開く。



舞緋都 side


俺は1人、地下の牢屋の中で、孤独感に襲われる。母からは何も告げられず、ここにいろと言われた。それからずっと、ここに居るのだ。



けど、俺は何年もここに居るが、食事なども、本も与えられなかった。



ずっと独り、ここで過ごしていた。



そんなある日、俺のいた牢屋の鉄格子が開いた。



俺は牢屋の開いた方を見たが、"眩しすぎる光"のせいか何も見えなかった。



俺の身体からは血が流れ、辺りにはいくつかの肉塊が転がっていた。



そんな俺に向かって伸ばす手のひら。
俺はその手を掴んだ。
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
……(…暖かい……)
??? side
???
???
…、!
手を…握ってくれた。弱くではあったが、ちゃんと温かさはある、小さい手。


まだ幼い舞緋都にこんな仕打ちをした母を、憎くも思ったが、それは直ぐに消えた。
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
…だれ、…おにーさん……
???
???
……俺はお前の…──
ーーーーーー
颯希(さつき)
颯希(さつき)
舞緋都!
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
……なんだ…
颯希(さつき)
颯希(さつき)
なんでこんな所で寝てるんだ。危ないだろ。子供達が教えてくれて助かったけど…
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
…すまない…
アキ
アキ
…あの閣下が昼寝ねぇ…珍しいじゃないの。
舞緋都はいつの間にか眠っていたようで、起きない舞緋都を見て死んだのかと怖くなった子供達は、颯希に助けを求めた。
女の子
女の子
閣下…?、具合悪いの?
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
…大丈夫だ…
少し微笑んだ舞緋都は珍しく、颯希やアキも、驚いていた。


普段笑わない彼は、墓の前に立ち、手を合わせた。


大きな花畑で囲まれた2つの墓には、舞緋都の両親が眠っている。
颯希(さつき)
颯希(さつき)
戻るぞ。
アキ
アキ
はーい
女の子
女の子
わーい!
男の子
男の子
わーい!
颯希達が城に向かって歩く中、舞緋都は立ち尽くしたままだった。


しばらくして雨が降ってきたため、戻ろうと踵を返す。
???
???
舞緋都
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
……、…ぁ……
後ろから声がした。


舞緋都は振り返り、声の正体を確かめた。
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
……水都みなと…、?
水都(みなと)
水都(みなと)
…久しぶり、舞緋都…
水都 side
今にも泣き出しそうな声で僕の名前を呼ぶ舞緋都。


何年ぶりだろうか、


彼に会うのは…
水都(みなと)
水都(みなと)
おいで、舞緋都
両腕を広げ、彼を待つ。


雨の中走る音と共に僕の体に暖かい体がくっついてくる。


なんて可愛いのだろうか。
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
兄さん…、!!兄さん!!
水都(みなと)
水都(みなと)
ただいま、舞緋都
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
どこ行ってたんだよ兄さん!!なんで急に消えたりしたんだよ!!!
水都(みなと)
水都(みなと)
…ごめんな、とりあえず、城に戻ろう。ここじゃ冷える。
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
……ッ、…うん…
ーーーーーー
颯希(さつき)
颯希(さつき)
遅かったな舞緋…ってだれやねんそいつ!!!
舞緋都(まひと)
舞緋都(まひと)
…佐海水都…先代当主だ。
颯希(さつき)
颯希(さつき)
え、…じゃ、あ……舞緋都の…兄上…
水都(みなと)
水都(みなと)
そうだよ。君が書記長の颯希だね。初めまして。
颯希(さつき)
颯希(さつき)
は、はい…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
グルッペン
グルッペン
はぁぁぁぁぁ………
総統室に響く大きなため息。


そんな総統様を横目に、鬱、トントンはまた小さなため息をつく。
大先生
大先生
なにあれ
トントン
トントン
ずっとあの調子なんや、ほっといてやれ。
大先生
大先生
(     'ω')ウィッス
グルッペン
グルッペン
……はぁ…(…気になる、あの少年は何者なのだ…ただの能力者とは言えないだろう…だとすれば……)
グルッペンは机の引き戸を開け、資料を掻き分け、一番奥にあった1枚の古い紙を取り出した。


異能力者の開発について



奴隷だった人間を集め、実験を行う。


被検体は15人、そのうち5人だけ成功、その他は細胞が壊れ塵となった。


しかし、5人のうち2人だけ特殊な被検体がいた。


うなじに100と刻まれた被検体だ。


どうやら能力を使っていく度に数字が減っていくらしい。


2人の被検体のどちらかに、能力を使わせ、数字を0にさせた。


あっという間に塵となって消えた。


数字が0になると塵になるらしい。





グルッペン
グルッペン
……これか…
オスマン
オスマン
何か見つけためぅ?
グルッペン
グルッペン
( 'ω')ファッ!?
グルッペン
グルッペン
び、びっくりしたんだが?
オスマン
オスマン
何度も声をかけためぅ!💢
グルッペン
グルッペン
そ、それはすまない
しんぺい神
しんぺい神
グルッペ〜ン♪いいもの見つけたよ〜
グルッペン
グルッペン
今度はなんだ?
グルッペンが訝しげにしんぺい神に問う。


しんぺい神はにっこり笑いながら後ろにいる人物をあらわにした。
グルッペン
グルッペン
…その子は……
フユカ
フユカ
………
しんぺい神
しんぺい神
なんか見つけたの
グルグルに縄で縛られているフユカは、機嫌悪そうに頬を膨らませている。


総統であるグルッペンを睨みつけ、能力を放とうとする。
しんぺい神
しんぺい神
ダーメ
フユカ
フユカ
…………
フユカはしんぺい神に言われ、能力を使うのをやめた。


ーーーーーー


なぜ従ったのかは、しんぺい神に聞いてみようか。


Q.なぜ?
しんぺい神
しんぺい神
A.ちょっとね♡
との事です((((殴殴殴殴蹴


ーーーーーー
グルッペン
グルッペン
ほう
フユカ
フユカ
……ッ、…((ビクッ
ゾム
ゾム
グルさー─……ッ、は…?なんでこいつがおんねん……
フユカ
フユカ
………、!…ッ((キッ
フユカがゾムをキッと睨みつける。


ゾムはたじろぎ、そっとフユカの頭を撫でた。
ゾム
ゾム
この前は悪かったな…すまん…
フユカ
フユカ
……へ、…
ゾムの急な優しさに驚いたフユカは、間抜けな声を出し、下を向いてしまった。
グルッペン
グルッペン
…なぜ、この国に?
フユカ
フユカ
……知らない…気がついたら、知らない部屋で寝てた……
大先生
大先生
あ、ここにいたのフユカちゃ〜ん♡
ほら、部屋に戻って僕とイチャイチャしy((((((((((((
グルッペン
グルッペン
…犯人はアイツか……
フユカ
フユカ
(。'-')(。,_,)ウンウン
グルッペン
グルッペン
……ゾム、縄を解いてやれ。
ゾム
ゾム
ほらよ
解放されたフユカは、鬱に近寄り、腰あたりを掴むと、思いっきり後ろに投げた。
大先生
大先生
( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
ゾム
ゾム
‪!?w‪w‪w‪w‪w‪w‪wよくやるなぁお前‪w‪w‪w
フユカ
フユカ
……帰る(( ´ ^`)<〜ぐぅー
…!?//⁄(⁄ ⁄>⁄-⁄<⁄ ⁄)⁄
ゾム
ゾム
お腹すいたんか!(`✧ω✧´)
大先生
大先生
アッ、これは…
グルッペン
グルッペン
……食害だな、…
グルッペン達はフユカを連れ、食堂に向かった。


他のメンバーは既に昼食をとっており、いるのはさっきのメンバーのみ。
グルッペン
グルッペン
たくさん食べるといい。
フユカ
フユカ
…( *・ω・))コクコク
可愛いな


と思ったメンバー達でした。
フユカ
フユカ
もぐ(   ˙༥˙   )もぐ
ゾム
ゾム
ほら、おかわりあるで!!
(`✧ω✧´)
フユカ
フユカ
もぐ(   ˙༥˙ ;  )もぐ
ゾム
ゾム
まだまだ!(`✧ω✧´)
フユカ
フユカ
ŧ‹”ŧ‹”(´・ω・` )ŧ‹”ŧ‹”
ゾムの食害が続き、終わった頃には鬱やコネシマは撃沈していた。


しかしフユカは平気そうにお茶を飲み干す。
ゾム
ゾム
おぉ!!!(`✧ω✧´)
大先生
大先生
なんやあの子……すげぇ食うなぁ…
フユカ
フユカ
……美味しかった…
グルッペン
グルッペン
それはよかったゾ。
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澪生(れい)
澪生(れい)
いやー疲れました。でもまだ頑張ります。
ばいちゃ( *`- ω -´)ノシ

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