あなたの下の名前side
昨日から自分がおかしいことは気づいている
正しく言えば、昨日の夜から、か
昨日の夜、私はクラシックのセカイにいた…
ような、気がしている
記憶がないのだ
何も、覚えていない
昨日のことは、何もかも
モヤがかかったようにぼーっとして
思い出そうとすると頭痛がする
昨日、確かに誰かに会った
確かに誰かの温もりに触れたのに
それが誰だったのかが思い出せない
ねぇ、君は誰なの?
<ミライ/有機酸 様>
私が、笑える場所はどこだろう
なんか、寧々に心配されたり青柳くんに心配されたり
私、そんなに顔色悪いのかな…
顔の絆創膏もなんでついてるのかよく覚えてないし…
私、昨日何してたっけ
??「今まで何処に行っていた!?1位じゃないお前に価値なんてないんだ、今すぐ練習をしろ!!(パンッ」
???「ヅゥッ…………ごめんなさい、ごめんなさい…」
ズキッ
ドンッ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。