第19話

十六話
2,224
2022/11/14 08:17




冬弥side




初めは、本当にあなたの名字のことが苦手だった。
張り付いたような笑顔も
悲しげなフルートの音色も
他人と一歩引いて過ごす姿も
顔色一つ変えず嫌なことも率先してやる姿も
自分の人生のはずなのにどこか他人事のような姿も
クラシックに自ら囚われにいっているような姿も
全てを知ったような口ぶりも
全てが全て、苦手だった。




ただ、今ならわかる。
その全てが、勘違いだったのだと。
あなたの名字にはきっとあなたの名字なりの理由があって
誰も傷つけないように、自分だけが傷つくように
たったの一人で、今まで生きていたのだと
あなたの名字はきっと、ずっと泣けなかったんだろう
大丈夫、大丈夫と
心に言い聞かせて
俺はまだあなたの名字をよく知らないから、もしかしたら
今俺が考えていることが勘違いで
本当に今までのあなたの名字が、真実なのかも知れない
答えは誰も知らないけれど
今、目の前にあなたの名字がいるのだから。
寄り添えずとも、少しでも力になれるかもしれない。
だから、どうか。




お前のことを、俺に教えてはくれないだろうか。




冬弥
……あなたの名字、




冬弥
どうして、無理して笑うんだ




あなた
、え?




俺はお前の、真実が知りたい。

















流川日向
なんか…どんどん迷走始めてる気がする
流川日向
ここどこ?って感じ
流川日向
頑張ってます、一生懸命
流川日向
もうちょっとであなたの下の名前ちゃんの家の事解決する…?かも
流川日向
頑張ってます、はい
流川日向
うん…………………
流川日向
ねくすと(終わり方を見失った)

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