第21話

十八話
636
2023/03/27 06:00


あなた
……私、クラシックが怖いの
冬弥
…………え?


そう、私はずっとクラシックが怖かった
最初の頃はお父さんもお母さんも褒めてくれた
でも、一位じゃなくなってから。
私には、クラシックで一番を取れない私には価値が
なくなった。
私、頑張ってるのに。


お父さん
一位じゃないお前に価値などない


あなた
、あ………
あなた
おとう、さん


そうだ、お父さんだ
この頬は、お父さんが、
嗚呼、そうだ、そうだった


あなた
……クラシック、もうやりたくないよ、
青柳くん
冬弥
……………


青柳くんは、私の頬を撫でていた手を離して、
私の頭の上に乗せた。
え、なに、


冬弥
……頑張ったんだよな、あなたの名字は
冬弥
一人で、ずっと


そうだよ、そうだよ
頑張ったんだよ
痛くても苦しくても
でも、もう無理だよ


あなた
…………逃げたい…
冬弥
…………………なら、


ぐ、と青柳くんが私の手を引く。









冬弥
俺と逃げよう、あなたの名字


ふ、と笑った青柳くんが、私にはどうにも眩しかった。











流川日向
最近スランプ気味でした、
すみません
流川日向
必ず完結まで持っていきます、
もうしばらくお付き合い下さい。

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