あなたの下の名前side
あれから数十分後
結構長い間青柳くんに縋りついてしまった……
申し訳ない。
ばっちり一時間目始まっちゃってるし……
今から行ってもどうしようもない、ということで
とりあえず一時間申し訳ないけどサボることにした
寧々がどうにか先生に言ってくれたらしいから
多分大丈夫
学校から連絡が行かなければお父さんにはバレない…
はず
未だひりひりする頬に手を当てて、少し考える
うん、多分大丈夫
頬に手を当てて考えていると、無言のまま青柳くんが
こちらに手を伸ばしてきた
そのまま私の頬を包み込む
……青柳くんの顔は、今にも泣きそうだった
なんでそんな顔をするんだろう
心配してくれてるのかな
大丈夫だよ、青柳くん
ひりひりはするけど、もう大して痛くは無いし
多分これ昨日の傷だし、私覚えてないし
「 大丈夫 」の意を込めて、青柳くんに笑顔を向けた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。