白布先輩は気まづそうに笑った。
白布「いやぁ、、俺……なぁ………」
なんて、ぽつぽつと呟くといきなりばっと立った。
拳を突き立て、上に上げると
白布「あー!俺はできる!!!できるぞ!!」
なんていって、頬を1度ばちんと両手でたたいた。
『え?!』
なんて私が驚いているとにっと笑って
白布「俺…大丈夫だから………!」
そういった。
『………?』
よく分からないけれど彼の中で何かがその時変わったことは確かだと思う。
その後「こらー!そこに居るのはだれだ!」なんて声と、懐中電灯の光がぱっとさして
白布「そういえば消灯時間すぎてんじゃん……!」
なんていきなり慌てた先輩。
いたずらっ子みたいに笑って私の手を取り逃げるようにして駆け抜けたあの階段はきっと忘れないと思う。
部屋に戻ると先輩からLINEがきていて
と来ていてさらに笑った。
.
.
次の日、それは起こったのです。
『…………』
そう、所謂女の子の日だった。
酷い鈍痛に襲われながらやっと起きて、それで頑張って仕事はこなしていたつもりなの。
だけど…夕方、限界がきた。
貧血を起こしたようだ。
バタンという音。そして体が打撲した痛み。
あぁ、今の音は私が出したものだとしか感じないくらいには限界がきていた。
遠のいていく意識の中、なんだか懐かしい匂い。
白布先輩かなぁ…
あとでありがとうって言わないと………。
そう思いながら意識を飛ばした。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。