《合宿当日》
白鳥沢のおじいさんがなにか話しているのが遠くから聞こえた。
それに答えるように熱い眼差しでみんなが返事をする姿はきっと、運動部ならではの熱気なんだろうと思う。
私は今水分のストックを作って、タオルをいっこいっこたたんでいる。
初めてこういうのやったけどすっごく大変だし…
正直いってもう帰りたい………(((
🗣「ほら、次の仕事あるからいくよー!」
なんていう同じサポートメンバーのお姉さん。
きっと先輩なんだろうけど、すっごく手馴れていてかっこいい感じだった。
私も『はい!』と返事をして、カゴの中に入れたタオルやらをもって走り出した。
・
・
『はぁ…やっと終わったよ〜…………』
1日目、終わる頃には私は疲れ切っていて崩れ落ちるように野垂れてしまった。
白布先輩、最後に少しだけ来たな……なんて思いながら何時間かぶりにスマホをチェックした。
1件、LINEの通知が来てきて見れば
白布先輩からだった。
私はすぐに肯定的な返事をして彼からの返事を待った。
待つ間に今日の報告書、ていしゅつする紙に書いてしまおう。
そう思って地べたにぺたんと腰を下ろして私はかき始めた。
書き始めて2分、ぴたっと私の前で止まった足音。
?「うわッ…」
なんて声がして、白布先輩…ではない………?と思って顔をあげれば
そこには眉間に皺を寄せて私を見つめるメガネの男の子がいた
NEXT
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。