蓮「や〜っと学校おわったーー!帰ろあなた!」
『あ、ごめん…その前にちょっと職員室よるわ!』
蓮「げ、職員室呼び出しなんてなんかやらかしたわけ?笑」
『違う……とは思ってるてか自覚はない………笑』
蓮「まいいや、私昇降口で待ってるからね〜」
そう言って手を振り教室をでた蓮は冬になってもマフラーや手袋を使わずに短くしたスカートでズカズカと歩いている。
そろそろ寒くなってきた。
はあとため息をつけばたちまち吐いた息は白くなる。
天気予報だってさいきんはマイナス何度って報道がずらーっと並んでいる。
私がこうして廊下を歩いて、冷気が肌を掠ればたちまち身震いした。
職員室とかかれたプレートがみえて、ノックを3回。
そうして担任のデスクまで足を運ぶと、さっそくだが……と話をされた。
どうやら、私がこれから話されることは先生の表情からみて少しだけめんどくさそうだ。
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『失礼しました。』
ガラガラとドアを閉めれば、どっと疲れが襲った。
あの後5分くらいは、あなたは部活に入っていないのだから〜〜という話からはじまった。
それで結局の要件は、私がこれからある「宮城県1年生選抜強化合宿」とやらにボランティアとして招集されるらしい。
先生はゲラゲラと笑いながら「ま、あなたは部活もないし履歴書にかけるネタ作りみたいなもんだしがんばれよ!」なんていってた。
はあとため息をついてから、昇降口で蓮が待っていることを思い出し走った。
12月に限りなく近い11月、なんとなく騒がしくなる予感がした。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。