無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

80
2021/09/21

第2話

真人兄様と夏祭り《その1》
※呪井家長女の日常設定です。
あなた

えぇーーー!!
お祭り
行けなくなっちゃったですかっ!

静かな田舎にあなたの
大声が響いた。

世間は夏休み。
家族でとある地方の別荘に
やって来ていた呪井家。

普段忙しい父漏瑚は
夏休みを可愛い娘あなたと
過ごす為にやらなければ
いけない仕事を全て片付けてきたはず、
だったのだが・・・。
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
すまんな。
本社の方で
トラブルがあったらしい
今夜は家族みんなで近くで行われる
地元の夏祭りに行くつもりだった。

漏瑚に買ってもらった新しい浴衣を着て
ウキウキで準備していたあなた。
それを見て和む漏瑚達。

━━しかし幸せな時は
そう長くは続かなかった。

突然漏瑚のスマホにかかってきた電話は
会社で大きなトラブルが
起こったというもの。

すぐにでも本社の方に来てほしいと
心底申し訳なさそうな部下からの
頼みに漏瑚は仕方なく戻ることにしたのだ。


陀艮(だごん)
陀艮(だごん)
だからと言って
何故私と母さんまで一緒に
行かねばならないんだ?
不機嫌そうに最小限の荷物を
バッグに詰めながら陀艮は言う。
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
お前も花御も少しだが
会社の手伝いを
したことがあっただろう。
とにかく人手がいる
真人(まひと)
真人(まひと)
とーさーん、
俺は行かなくていいの?
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
真人ォ!
お前は何事も
すぐ怠けるだろうが!
他の者達が感化されては
たまらんからな!!
呪井家次男の真人は
やろうと思えば何でもできるし
頭も良いのだが
マイペースすぎるのが玉にきずだった。
花御(はなみ)
花御(はなみ)
『漏瑚、陀艮。
迎えの車が来ましたよ』
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
ああ
玄関で迎えの車を待っていた花御が
呼びに来て
座布団に座っていた漏瑚は立ち上がる。
あなた

とーさま・・・っ!!

漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
う、おっ!
あなた・・・?
その腰にあなたが
泣きながら抱きつき漏瑚は
バランスを崩し倒れそうになるが
何とか耐えた。
あなた

父様、父様・・・っ!
あなた、
さみしいです・・・っ!

漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
うぐぅ・・・っ!!
あなた・・・っ!
━━せっかく家族で
夏祭りを楽しむ予定だったのに。

夏祭りだけじゃなく
父と母と兄まで《会社》にとられて
あなたは悲しい気持ちでいっぱいだった。

だけど、
「行かないで」とは言えない。

漏瑚の会社はとっても大きくて
たくさんの社員が働いている。

もし会社に何かあって潰れてしまったら
その社員達全員が
路頭に迷うことになってしまう。

あなたは必死に
「行かないで」という言葉を飲み込むが
その代わりに《悲しい》という気持ちが
漏れてしまうのはどうしようもなかった。
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
あなた・・・っ!
わ、儂とて
お前と・・・っ!!
あなた

父様ぁ・・・っ

自分の肩を掴む漏瑚の手が
プルプルと震えている。

漏瑚だって
この日を楽しみにしていたのを
知っているあなたは
その気持ちを思い
自ら離れることを決意した。

自分が我が儘を言っては
漏瑚を困らせてしまうから。
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
あなた・・・?
あなた

あなた・・・っ、
ちゃんとお留守番するですっ!
だから父様も
頑張ってくださいですっ!
あなたは
もう《高校生》なんですっ!
我慢できますっ!!

漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
お前・・・っ!!
娘の成長に思わず涙を
流しそうになったが
それより先に隣にいた陀艮が

「うぉおおおおっ!!
あなた!!偉いっ!!!
もう本当に良い子っ!!
お兄ちゃん感動した!!
大好きぃぃいいいっ!!」

と絶叫したので途端に真顔になる。
漏瑚(じょうご)
漏瑚(じょうご)
あー・・・。
その、
出来る限り
早く帰ってこれるようにする。
それまで真人と
留守番を頼んだぞ
あなた

はいっ!!
あなた、
真人兄様と
お留守番しますですっ!!

涙目のまま一生懸命に笑う娘を
漏瑚はしかと抱き締めた。