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第7話

【まだ未完成なまま。】
40
2018/12/05 02:13
台詞を全て頭に入れなくても
本番に挑めることができるそうは
今の私たちにはとても助かる存在だった。
佐野さん
佐野さん
湊里くんはきっと
演じることに才能があるんだね。
いず
いず
佐野さんも
そう、思いますか…
佐野さん
佐野さん
うん。
彼が放つ言葉はとても綺麗で
心に届く。
それは紛れもない才能だよ。
佐野さん
佐野さん
良い子と出会えたね。
いず
いず
私もそう思います!
だけどそうなると
私もうかうかしてられません。
私も頑張りますよ!
佐野さん
佐野さん
(izu…頑張ってね……
きっとそうくんとなら大丈夫だよ)
撮影は順調に進んでいき、その日の撮影シーンも
残すところあと少しとなった。
いず
いず
(普通の現場より一日で
撮るシーンが多いけど
そうもなんとかやってくれていて
良いシーンが撮れてる。)
いず
いず
やっぱり…すごい。
そう
そう
……っ?
いず
いず
なんでもない!
あと半分!頑張ろう!
並木 優
並木 優
すみませーん!
遅くなって…今、どんな感じですか
いず
いず
並木さん!
〔並木 優〕マネージャー
〔並木 優〕マネージャー
キャスト変更の連絡は
こちらも確認して
急ぎの現場でしたし
了解しています。
並木 優
並木 優
僕が見たいって言ったんですよ。
一応僕が演じるはずの役ですし
今日は最後まで見学させて
ください。
並木 優
並木 優
君が代わりに演じる、
湊里くん…?
そう
そう
あっはい。
並木 優
並木 優
最後まで頑張ってね!
応援しているよ。
よろしく。
そう
そう
こちらこそ…。
並木 優
並木 優
(俺がizuと共演するはずの
ドラマが…マジで最悪。
こいつがいなけれゃまだ
なんとかなったのにな…。
監督も気に入ってるし…
マジで気に入らねぇな)
そう
そう
丸聞こえ……
いず
いず
(そうには並木さんの心の中は
丸聞こえだからな…
並木さん、
なんか言ってるんだろうな…)
心の声が聞こえてしまうそうと裏がありそうな
並木さんはきっと相性が悪いんだろう。
けどそうの表情は前より明るい。
いず
いず
(きっと今のそうなら
大丈夫だね。)
由井坂さん
由井坂さん
じゃ、今日ラストとしましょうやー。
松山 ゆいとその母親の
絆を確かめ合うシーン。
やってみるよー。
いず
いず
(母との…絆…)
いず
いず
(このシーンは
主人公のゆいがずっと
会いたかった母と再開し、
再び一緒に暮らし始める
きっかけにもなる大切なところ。)
いず
いず
本当の…お母さん…
そう
そう
いず…?
いず
いず
ううん!なんでもない!
準備おっけーです!
撮影開始しても大丈夫です!
いず
いず
(私の本当のお母さん…
今は私のことじゃなくて
松山 ゆいのこと。
集中しないと…)
並木 優
並木 優
(おや…?)
由井坂さん
由井坂さん
それじゃあ、スタート!
いず
いず
お母さん…
ずっと会いたかった…っ
いず
いず
(あれ…涙を流さないといけない
シーンなのに…なんで…
涙がでない…)
由井坂さん
由井坂さん
カットッッッ
由井坂さん
由井坂さん
う~んいずちゃん、
泣ける人だよね?調子悪い?
大丈夫?
いず
いず
えっ…えっとすみません…
由井坂さん
由井坂さん
ちょっと休憩入れよっかね。
ぶっ通しでやってきたんだし。
じゃ10分休憩。
いず
いず
すみません…。
ありがとうございます。
並木 優
並木 優
いずさん!
息抜きにお茶しよ?
こっちこっち。
いず
いず
……はい。
そう
そう
………………。
並木 優
並木 優
どうしたの?調子悪い?
いず
いず
あっ…いえ。
心配かけてすみません。
並木 優
並木 優
ううん…大丈夫。
けどさ…もしかして…
izuさんの本当の両親のこととか…
そのことに関係してたり…する?
家庭、複雑なんだよね?
いず
いず
っ!?なんでそれを…
並木 優
並木 優
ごめん、聞いたことがあってさ…
もしそれで涙が出しにくく
なってたりしたら…
心配だなって…
いず
いず
いいえ。それでも
女優なんです。
演じないといけない。
私の母は関係ありません。
並木 優
並木 優
やっぱり、あいつだよ、
湊里くん?の演技もまだまだだし…
初心者っていうか?
izuさんには相応しくないと
思うんだよね。
並木 優
並木 優
僕と変わったほうが
良いと思わない?
いず
いず
えっ……?
並木 優
並木 優
izuさん、可哀想だし…
僕ならもっとうまくリード
してあげられるよ?
並木 優
並木 優
そんな悲しまなくても良い。
お母さんがいなくたって
僕がこれからもizuさんの
そばにいることもできるし…
ね?
いず
いず
違う……
並木 優
並木 優
うん?
いず
いず
違うっ!!!
私はそんな言葉を
かけてほしい訳じゃない。
私は自分のことを可哀想だなんて
思ったことはない。
いず
いず
私は人の心に
ズカズカと入ってきて
可哀想、なんて言葉を
かける役者と一緒に
演技をしたくありません!
いず
いず
申し訳ないですが、
みんなそうを必要としてますし
みんな尊敬して頼ってるんです。
いず
いず
あなたこそ、
相応しくない
並木 優
並木 優
……っ
ちっ。
めんどくせぇ。
はいはい。
優しくしてみればこれだよ
並木 優
並木 優
所詮izuも
この程度ってことだな…
どうでも良い…勝手にしろ
そう
そう
いずっ!!
大丈夫…?
いず
いず
大丈夫。
やっぱりあんな人だったんだね。
言いたいこと言えて良かったよ。
そう
そう
僕のこと…かばわなくて
良かったのに…。
俺が演技まだまだなのも
いずに相応しくないのも
事実でしょ
いず
いず
何言ってるの?
相応しくないとかなんとか…。
私はそうとしか出来ない
作品を創りたい。
私がそうしたいの。
いず
いず
ね?
そう
そう
うん…ありがとう。
そう
そう
いず、僕から頼んで今日の撮影は
終わらせてもらった。
そう
そう
いずがこの撮影を
大切にしてるのもわかる。
でも、その前に自分自身、
解決しないといけないことが
あるでしょ?
いず
いず
私と本当のお母さんのこと…?
やっぱり、そうには分かっちゃうよね
そう
そう
うん。勝手に聞いてごめん…。
でも
“いずはもう知ってるんだよね?”

園長さんがいずの今の両親を
撮影に呼んでくれてるみたいだよ。
そう
そう
いずの伝えたいこと…
話すなら今じゃないかな?
いず
いず
………っありがとう
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私は幼い頃この園に預けられた。
私がまだ赤ん坊の頃。
だから両親の顔なんて覚えてなくて
でもまだ預けられて3年目に
私の前に今の家族が現れた。
まだ感情という感情も育ってない私だけど
いつも無表情で寂しそうな顔をしていたらしい。
そんな私に今の両親はとても愛情を注いでくれた。
いず
いず
(でもね。知ってたんだよ?)
今の私を3歳の頃に引き取ってくれた両親は、
私の本当のお父さんとお母さんなんだって。
小学生5年生ぐらいの頃。
家族と喧嘩して夜中、園に行ったことがあった。
その時、園にはもう連絡がいっていて
見つかったら家に帰らないと
いけなくなると思って黙って隠れていた。
その時園長さんが話しているのを聞いたんだ。
私を大学3年生の頃に産んだ母は、
まだ勉強もあり働くこともできなくて
私を育てることはできなかった。

だから、わたしは園の前に置き去りにされた。
無責任だなとも思う。
けれど心の底から母を恨むことはなかった。
園に置き去りにしてから3年後。
仕事も安定してきた母には
後悔が溢れていたらしく私を迎えに来てくれた。
けれどそこには小さいのに笑わなくて
悲しい顔をした私がいて、
母は自分のしたことにとても後悔した。
だから、ほんとの母としてではなく、
償いとして引き取るということで
私の親に改めてなってくれたのだ。

悲しい体験を実の娘にさせてしまったのに
本当の親だと名乗ることはできなかったらしい。
いず
いず
(父も母も…大好きで、
恨むことはない。
たくさんの愛情を注いでくれた。)
始まりの形は普通の子とは違ったけれど
とても幸せだった。
1つ気になるところがあると言えば
父と母がその事実を未だに
私に伝えてくれないということ。
いず
いず
(大好きなお父さんとお母さんの
口からちゃんと真実を聞きたい。)


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いず
いず
(みんなが…与えてくれた機会。
ちゃんと向き合おう。)
そう
そう
きっと、いずなら
大丈夫だよ。
行ってらっしゃい。
いず
いず
うん!行ってくる。


私が一歩先に進む時だ。
今まで目を背けていたこと…
大切な人なんだからこれからのためにも。



さぁ、大好きな父と母にもう一度伝えよう。











ありがとうって。