部活も終わり、
1人で歩く帰り道。
一緒に帰る人が出来たらいいな~なんて
ちょっとは考えちゃう自分。
寂しいんだもん。
俺は重い荷物を背負いながら
ゆっくりと歩いていた。
___「…お前、今どこにいんだよ!!」
何だろう…喧嘩?
声のする方へと向かった。
涼介「え…?」
声の主は
___大ちゃんだった。
俺はすぐに話しかけようとした。
だけど
近づけない雰囲気だった。
大貴「お前、まさか…迷子?」
迷子…?
大貴「…場所は?学校だよな?」
学校で迷子なんて初めて聞いた。
相当な天然なんだな…
俺はその場を立ち去ろうとした。
涼介「え…待てよ…?」
そういえば
教室からあなたちゃんがいなくなってた。
しかも大ちゃんと仲いいし…
涼介「まぁ…偶然か。」
俺は家へと帰る足を速めた。
その時だった。
大貴「…ばかあなた。」
涼介「え…あなたちゃん!?」
大ちゃんは走って学校へ向かう。
俺は居ても立ってもいられなくなり
大ちゃんの後をついて行った。
この行動が後に
___自分を傷つけると知らずに。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!