第4話

阿部ちゃん先生が病気…?
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2020/05/13 00:43
樹side

少し冷たい夜風が吹く中、バイト先のコンビニから帰宅していた

しばらく歩いていたら目の前に見覚えのある人がいた

あまりにも足取りが不安定だったから声をかけることにした
田中樹
あの。大丈夫ですか?
阿部亮平
樹今バイト帰り?
田中樹
バイト帰りっす
てか先生大丈夫ですか?
なんか心配…
先生ん家どこですか?
俺、送りますよ
阿部亮平
俺ん家、もう少し先のベージュの外壁の家だから1人で大丈夫…
田中樹
もう少しで家だからってそんな状態の人放ったらかしにするわけないっすよ
俺ん家、先生ん家より先の方なんで送りますよ
てか何かなきゃこんなことにはならないっすよね?
何があったのか教えてもらえます?
阿部亮平
樹には関係ないよ…
これは俺の問題だから…
田中樹
先生はいつも俺らのこと優先しすぎっすよ
少しは自分のこといたわってあげましょ?
阿部亮平
じゃあ他の人に口外しないって約束してくれるかい…?
田中樹
口外しないって約束するんで何があったのか教えてください
阿部亮平
俺、病気なんだ…
田中樹
え??
阿部ちゃん先生が病気…?
阿部亮平
うん…
精神疾患だから私生活にさほど影響しないと思うんだけど…
田中樹
俺はみんなに黙っているとして、いつかはみんなにバレますよ?
阿部亮平
それはそれで構わない…
でも今このこと知ってるのは校長と教頭と樹と俺の家族だけだから…
先生が無理をしているのなんて見ればわかる

だけど先生のことだから公になるのが嫌なのだろう

この秘密を知っているのはクラスで俺だけ

その優越感に浸りながら帰宅したのだった

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