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第14話

意地悪と不器用
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
え、どうしたの?
黒須 響希
黒須 響希
あ……ごめん。
雪乃が呼び捨てにする相手がいるって思わなくて、つい声が……。
ちょっと、びっくりした
水瀬 悠
水瀬 悠
いやそれ、だいぶ驚いた反応だろ?

記憶を遡ってみれば、この二週間は生徒会役員の集まりもまばらだった。


私と悠、響希くんが揃ったのは久しぶりだ。


互いの呼び方が変わったのを彼が知らなくても、不自然じゃない。


私には、確かに友達と呼べる人は少ないし、呼び捨てにしたのは悠が初めてだ。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
なんか、はる……この人が、呼び方変えてほしいって言うから……
黒須 響希
黒須 響希
うん。
そうだろうなとは思った
水瀬 悠
水瀬 悠
なんだ、響希。
羨ましいのか?

響希くんを煽るような悠の言い方に、私はギクリとした。


同時に、「響希が嫉妬してくれるかも」という悠の言葉を思い出す。


彼はわざと響希くんを嫉妬させようとしているのかもしれない。


とにもかくにも、心臓に悪い。
水瀬 悠
水瀬 悠
彼女、作ったら? 響希の彼女に立候補したい女子なら、たくさんいるだろうな?

作業の手を止めたまま、悠はそう畳みかける。


その発言で、悠は響希くんを嫉妬をさせようなどとは考えていないことが、分かってしまった。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
(なんだか、安心したような、がっかりしたような……。この感覚、前にもあったな)

私がモヤモヤと考えこんでいると、響希くんは首を横に振って、苦笑する。
黒須 響希
黒須 響希
俺は、好きな子以外と付き合いたいとは思わないよ。
さ、無駄話はこれくらいにして、仕事に戻ろう

『好きな子』という言葉には、少なからず重みがあった。


響希くんにも、好きな女の子がいるのだろうか。


もしいるのなら、どんな子だろう。


後頭部をガツンと殴られたような、でも痛くない、変な感覚。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
(あれ……? もっとショックかと思ってたのに……)

首をかしげながらも、作業は着々と進み……。


準備で使用するペンキの数の確認のため、私は美術棟の倉庫に向かうことになった。


手が空いているのが、私しかいなかったからだ。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
職員室に寄るけど、何か渡してほしいものとかある?
生徒会役員
生徒会役員
あ、じゃあこの資料を教頭に確認してもらって!
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
分かった

生徒会室を離れ、廊下を歩いていると、背後から悠が足早に追いついてきた。


ぎょっとして、歩みを止める。
水瀬 悠
水瀬 悠
俺も、職員室に用事がある
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
それなら、私が代わりにやってくるけど?
水瀬 悠
水瀬 悠
いや、それだけじゃなくて。
……さっきは、おとなげなかった。
ごめん
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
何の話?

本当に分からなくて、ぽかんとなる。


どうして、私が謝られなければならないのか。
水瀬 悠
水瀬 悠
響希に彼女作れって言った話。
響希の反応が見たくて、ちょっと意地悪した

ばつが悪そうに言って、悠は頭を下げる。


それでも、私が謝られる意味が分からない。


【第15話へつづく】