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第4話

カップル誕生?
私はすぐに、スマートフォンを取り出し、メッセージを確認した。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
ああぁぁぁ……

後悔と絶望が入り交じった声が、思わず漏れていく。


やはり私は、響希くんにではなく、水瀬くんに呼び出しの文言を送っていた。


チャットアプリに使われているアイコンが、響希くんのものとよく似ている。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
(どうしてちゃんと確認しなかったの、私!!)

正直に話すべきか、このまま流れに任せるか。


逡巡しゅんじゅんしたけれど、やはりこのままでは水瀬くんにも失礼だ。


もう一度勇気を出して、私は本当のことを水瀬くんに話そうと決める。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
あの、水瀬くん。
ごめん……あのね!

しかしその瞬間、彼は私の唇に指をあてて止めた。
水瀬 悠
水瀬 悠
やっぱりそういうことか。
分かってる。
相手を間違ったんだろ?
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
!?
水瀬 悠
水瀬 悠
会長にはちゃんと、『好きな人』がいるもんな?

私の本当に好きな相手は、別にいる。


水瀬くんは、なぜかそのことに気付いている様子だった。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
(なんだ……。じゃあ、いいよって返事は、からかってたの?)

ほっとして、ため息が漏れる。


彼にもこんな思慮深い一面があったとは、驚きだ。


水瀬くんは自分のあごに手を当てて考える仕草を見せ、最後にニヤリと笑った。
水瀬 悠
水瀬 悠
でもさ、さっきの放送の声で、俺たちだって気付いた人も多いだろうし。
会長のメンツもあるから……。
本当にしばらく付き合ってみない?
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
……はい?

もうこれで終わりだと思っていた私には、意外な提案だった。


確かに、外に出て「間違いでした」なんて説明して回るのは骨が折れるだろう。


それでも、好きでもない相手と付き合うのは、どうしても違う気がする。


まずもって、水瀬くんが迷惑ではないのだろうか。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
いや、でも……
水瀬 悠
水瀬 悠
もしかすると、響希が嫉妬してくれるかもよ? 響希には後で事情を説明して、告白し直したらいいじゃん
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
なっ……、知って!?

水瀬くんの追い打ちに、私はまた心を揺さぶられた。


響希くんに想いを寄せていると気付かれているのは、まず置いといて。


気を引くにしても、他の人を巻き込むのはダメだ。


ダメだと分かっているのに、天秤てんびんがぐらつくのが、情けない。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
わざと嫉妬させるとかそういう、気の引き方は……したくない
水瀬 悠
水瀬 悠
そう?
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
それに、水瀬くんには、私と付き合っても全くメリットがないと思うけど?
水瀬 悠
水瀬 悠
……ぶっ。
あははっ!

水瀬くんは吹き出した。


お腹を抱えながら笑うところを見たのは初めてだ。


どうしても、彼の考えていることが分からない。
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
え? なんで笑うの?
なんで私と付き合うって考えになるの?
水瀬 悠
水瀬 悠
あはは。
じゃあ、会長が俺の考えを当てられる時まで、付き合ってみるってことで
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
ま、待って! 私はいいって言ってな……
水瀬 悠
水瀬 悠
回答チャンスは二回までな
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
ねえってば!

断ろうとしても、水瀬くんは得意気に笑うだけで受け入れてくれない。
水瀬 悠
水瀬 悠
絶対、後悔しないって。
外に出たら分かるよ
早乙女 雪乃
早乙女 雪乃
……え?

こうしてほぼ強引ながら、私と水瀬くんは付き合うことになってしまった。


【第5話へつづく】