第105話

続編︰最終話
8,610
2020/05/28 12:11
数日後────
あなた

あそこのお宅、帰ってきたみたいだね

時透無一郎
時透無一郎
うん
声が聞こえるし………
あなた

じゃあ、私たちは行ってくるけど、お留守番できる?

八重
あ……あの…!
時透無一郎
時透無一郎
なに?
八重
八重も………一緒に行っていい………?
あなた

え………

有一郎
僕も行く!
八重のこと守るから!
あなた

………どうする?

時透無一郎
時透無一郎
一緒に来てもいいけど、約束がある
有一郎は、八重をしっかり守ること
八重は、有一郎に守られること
有一郎
任せてよ!
八重
うん……!
あなた

行こっか

────
あなた

ごめんください!

女性
誰……!って…時透さん……
何か用ですか?
時透無一郎
時透無一郎
八重のこと、聞きに来ました
女性
八重………!あんた…!!
八重
ヒッ……
時透無一郎
時透無一郎
これはれっきとした虐待だよ? 
それくらい分かるでしょ?
女性
っ……
女性
八重来なさい
女性
は?
時透無一郎
時透無一郎
ほら、八重もこう言ってるじゃん
一体どんなことをしてきたのか………
女性
……うるっさいわね
あんたらには関係ないでしょ!
有一郎
八重は渡さないからな!
ご近所さん
なになに?
ご近所さん
揉め事かしら………
女性
っ……!
あなた

あなたが、八重ちゃんの事を大切に育てないなら、私たちが引き取ります
それでどうですか?

女性
っ…………勝手にしなさいよ!
あなた

あ……行っちゃった……

有一郎
八重よかったね!
八重
うん!
あなた

じゃあ、八重は今日から私たちの家族だよ!よろしくね

八重
よろしく…です……!
時透無一郎
時透無一郎
そんなに固くならなくてもいいよ
有一郎
そうだよ!
僕今日からお兄ちゃんだから!
八重
お兄ちゃん……!
あなた

2人は仲良くなれそうだね

時透無一郎
時透無一郎
そうだね
あなた

じゃ、役所で戸籍の手続きとかしないとね

時透無一郎
時透無一郎
明日にでも行こうか





それから、八重も時透家に加わりました




有一郎は相変わらずお兄ちゃんしてます




あとから聞いた話では、八重のお母さんの噂はたちまち拡がり、ここに居ずらくなったとか




それでつい最近、旦那さんを連れて出ていったらしいです




八重も、今では私のことを"お母さん"と言ってくれています




でも、たまに2人が、飾ってある日輪刀のことを聞いてきます




成長するのはいい事だけど、やっぱり気になるよね……




鬼や鬼殺隊のことは、2人がもう少し大きくなってから話そうと思います




そして、現在────
八重
ただいま〜!
あなた

おかえり八重

八重も今年で12歳になります




有一郎はもう16歳
有一郎
八重!
荷物だけ置いて行くなよな!
八重
お兄ちゃん男でしょ!
年下の女の子には優しくしなよ
有一郎
はァ?
時透無一郎
時透無一郎
喧嘩するなって
有一郎
父さん!おかえり
八重
あ!お父さん!!
時透無一郎
時透無一郎
わっ!ただいま
あなた

おかえりなさい
お疲れ様

時透無一郎
時透無一郎
ありがとうあなた
???
あぁぁ!お姉ちゃんだけズルい!!
???
僕もお父さんとぎゅーしたい!
あなた

りんれい
お父さん疲れてるから後でね
八重も一旦離れたら?

今時透家は6人家族です




双子の男の子がいます




お兄ちゃんの霖、弟の玲




無一郎の幼少期が想像できます
八重
はーい
あ、お母さんこれ!
さっき摂ってきた野菜だよ
わぁ!いっぱいだ!見て見て霖!
ほんとだ!
僕知ってる!これって、栄養沢山あるんでしょ!
時透無一郎
時透無一郎
そうだよ
じゃあ僕、早く大きくなって、お母さんのこと守るんだ!
霖!僕がお母さんを守るんだよ!
僕!
僕!
あなた

2人ともありがとう
お母さんは嬉しいよ

時透無一郎
時透無一郎
うーん……お母さんなら守る側だと思うなぁ………
有一郎
鬼殺隊元柱だもんな
あなた

まぁね

夜中────
あなた

ハァ……疲れた疲れた

時透無一郎
時透無一郎
おつかれ
あなた

んー

時透無一郎
時透無一郎
にしてもさ、有一郎……
最近益々兄さんに似てきたよ………
あなた

あんな感じの人だったんだぁ

時透無一郎
時透無一郎
うん
懐かしいなぁ……
あなた

そういえばさ、下3人が言ってた
また朱雨しゅうくん桜ちゃんと遊びたいって

時透無一郎
時透無一郎
あー、あの冨岡兄妹………
あなた

そうそう

あなた

ま、年齢的には有一郎は蒼月あいとくんが合うんだろうけどさ

時透無一郎
時透無一郎
そういえば……有一郎の部屋に蒼月からの手紙があった
あなた

私も見た

時透無一郎
時透無一郎
あの伊黒さんがお父さんやってるとか……………
あなた

あの時は考えもしなかったね………
遊郭に遅れて来た時の説教ぶりを見たら……

時透無一郎
時透無一郎
ねー
時透無一郎
時透無一郎
まぁさ、僕らも僕らで、最終的にこうなるとは思わなかったけどね
あなた

そうなの?
無一郎ならめちゃめちゃ想像してそうだったのに

時透無一郎
時透無一郎
いやさ、何回死にかけたよ?
それに………僕がこんな幸せになっていいのかなって不安になってたし
あなた

そんな不安になることないって

時透無一郎
時透無一郎
そうかな
あなた

そうだよ

時透無一郎
時透無一郎
そっか
あなた

…………無一郎

時透無一郎
時透無一郎
ん?






























"私と出逢ってくれてありがとう"

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