もう、皆ボロボロだった。
私と咲雪はかろうじて立っているけど、
炭治郎くんと伊澄くんは気絶してるし、
不死川さんと冨岡さんも、傷だらけで戦える状態ではない
────
…
いっきに距離を詰め、鬼舞辻の眼前に迫る
そして私は………
刀を、自分の心臓に突き刺した
ドカーン
鬼舞辻の断末魔が聞こえてきた
私の体内には、鬼舞辻の血が流れている
本来なら、細胞を破壊して、その人は死んでしまう
でも、私がそうならないのは、血管の中に流れてるから、
そして、その血管は1本だけだから
その血管が1番太いのは、心臓。
そこを付き刺せば、血管が切れて、血が出る
そして周りの細胞を破壊していく。
その時に、光と雪の呼吸をしていれば………
雪で動きを止め、光で鬼を倒すことが出来る
しかも、私の血は、空気の圧で固まる。
こうすれば、確実に殺せる
ひとつ、欠点があるなら……
爆発の衝撃で体がボロボロになるけど死ねないこと
光の呼吸は、人を癒し、鬼を傷つける力があるから
一流光の呼吸の使い手ならば、死人を生き返らせることも出来る
だから、咲雪にこう頼んだ
"これが終わったら、私を殺しなさい"
"鬼舞辻の血が、体内に流れる限り、私は死ねない。だから、さっさと殺して、楽にして"と────
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!