ここは……
あなたニコ
とう…さま……?
父様!!
よしよし。泣かない泣かない。
お前は強くなったね……
父様……会いたかった……
それと……ごめんなさい…!私のせいで父様は…!
何を言ってるんだ。
あなたを守れただけで、父様は嬉しいよ。
それは…母様の忘れ形見だから…?
それもある。
でも、何より、あなたは、父様の、命よりも大切な宝物だよ
父様……大好き…!
ずっと一緒だよ?
それは駄目だ
え……どうして……
守らないといけない大切な人がいるだろう?
大切な……人…?
そう。父様にとっての、あなたのような存在。
そうだ……!
煉獄さんたちと列車に乗ったんだ!
急ぎなさい。
早くしないと手遅れになる。
皆も、お前も────
それは嫌!
絶対に、生きて会うって約束した人がいるから!
なら、早く戻りなさい。
戻る道は、既にある。
さあ、斬るべきものはある────
父様!!
何を斬れっていうの…?!
これは夢……夢なら……夢を冷まさないと…!
頬をつねる
駄目か……
何かを斬らないといけないのかな……
その頃────
無意識領域は……この辺りからか
そこには、大きな花畑があった。
でも、その半分は大雨。半分は晴天の、不思議な場所だった。
!人がいる?!
とうさまー!
ほら、こっちだよ!
………
あれは…?!
なぜ無意識領域に人が…?!
少女と、その父親らしき人が、晴天の方で遊んでいる。
大雨の中には、ひとりの女性が佇んでいた。
ただ暗い空を見上げていたが、花のひとつひとつを、優しい手つきで触れていた。
精神の核を…早く見つけないと…!
どうしたの?
!
優しい、儚い笑みで問いかけてきた。
精神の核を探しているの?
そ……そうだ
それなら、あの天気の境目に、木があるでしょ?
あそこにあるの?
そう。
でもね、あの桜の木の中心にあるの。
あの木を斬らない限り、精神の核は斬れないの。
なんで教えるの?
あなた、今とても辛いんでしょ?
!
それに、精神の核は壊せない。
何度も何度も、壊れかけて、その度に雨に打たれて、太陽にあたって、桜の木に包まれた────
……
でも、それでも精神の核を壊すんなら、桜の木が壊させない。
何者だ……お前は…!
私は、私。
あの少女も、彼女の父親も、私の一部。
私であり、私じゃない
何訳の分からないことを!!
この桜の枝を1本あげる。
それを、持って帰って
?!
夢から覚める…!
…
きゃあぁっ!!
ハァ……ハァ……
あなたさん!
起きましたか?!
うー……(←びっくりした)
えっと……煉獄さんは何をしてるの?
わかりません……
起きたらこんなで……
( ・᷅ὢ・᷄ )🔪
!
鬼に操られてるの?!
邪魔しないでよ!
あんたたちが来たせいで夢を見させてもらえないじゃない!
何を言ってるの?!
ちょっと!
あんたも何か言ったら?!
結核だかなんだか知らないけど!
(_´・д・`)_バンッ
君……大丈夫?
うん。
ありがとう。気をつけて
あぁ!
あなたさん、行きましょう!
こっちです!
うん!
あれぇ…起きたの
おはよう
下弦の……壱…!
せっかくいい夢を見せてやってたのに…
人の心の中に土足で踏み入るな!!
俺はお前を許さない!!
炭治郎くん……
(花札のような耳飾り……あれか…あの方が仰っていた鬼狩りは……)
雪の呼吸、弐の型、氷雪の突き
おっと……危ないよ?
水の呼吸、拾の型、生生流転
血鬼術、強制昏倒催眠の囁き
(うっ……眠気が………寝るな!!)
?!
炭治郎くん!!
ハッ!
言うはずがないだろうそんな事!!
俺の家族が!!
俺の家族を侮辱するなぁぁぁぁ!!!
!
首を斬ったのに……
手応えがない…?
残念。
これは本体じゃないから死なないよ
じゃあ、本体は?!
…………まさか……この汽車…?
その通り
この汽車に乗っている200人余りの人の命は、全てお前の手の中、か……
そうだよ
雪の呼吸、陸の型、豪雪龍
汽車が……!
炭治郎くん!
私はあいつに攻撃するから、その隙を!!
はい!!
雪の呼吸……
無謀だね
きゃっ!
(眠気が………駄目…………だ……)
あなたさん!!
頼れる柱は眠ってしまったよ?
どうするの?
クッ………
煉獄さん!善逸!伊之助!!
寝ている場合じゃない!起きてくれ頼む!!
よそ見は厳禁だよ?
!!
雪の呼吸、参の型、回雪の渡
!!
あなたさん!!
ごめん、油断した。
ここからは本気で行く!!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。