第63話

11,623
2020/04/02 05:08
時透無一郎
時透無一郎
あの時、僕は毒を喰らって動けなくなってました。
そこにあなたが現れて、戦ってくれましたが、玉壺の血鬼術である、"水獄鉢"に、二人揃って閉じ込められました
時透無一郎
時透無一郎
脱出を試みましたが上手くいかず、諦めかけた時、あなたの意識が無い事に気が付きました。
時透無一郎
時透無一郎
強すぎる鬼に対する怒りで感情の収拾が付かなくなりました。
あまね
あまね
山吹様も、その時に痣が?
あなた

私は、少し遅れてからでした。
鬼に対して、強い怒りと殺意が沸いたかと思うと、体温が上がってきたので、あの時の熱は怒りからかと…………
痣が現れた時の心拍数は、二百を超えていたかと

あなた

そして体は燃えるように熱くなりました

あまね
あまね
時透様も、同じですか?
時透無一郎
時透無一郎
はい。
体温の数字は、39度以上になっていたはずです
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
そんな状態で動けるのですか?!
下手したら命に関わる数字ですよ?!
あなた

あの時は、普通の発熱時とは違いました。
体温が急激に上がり、蜜璃ちゃんが言っていたように体が軽くなりましたから。

胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
それでもそんな高温で……!
時透無一郎
時透無一郎
そこで死ぬか死なないかが、
恐らく痣が出る者と出ない者の分かれ道です
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
……………
甘露寺蜜璃
甘露寺蜜璃
(そうなんだ……)
不死川実弥
不死川実弥
チッそんな簡単なことでいいのかよ
冨岡義勇
冨岡義勇
これを簡単だと言ってしまえる簡単な頭で羨ましい
あなた

(冨岡さん?!)

不死川実弥
不死川実弥
何だと?(#゚Д゚)
冨岡義勇
冨岡義勇
何も
あまね
あまね
痣が発現した方は、
どなたも例外なく────……
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
────なるほど……
しかしそうなると私は一体どうなるのか……
南無三……
あまね様が退室する
冨岡義勇
冨岡義勇
俺は失礼する
不死川実弥
不死川実弥
おい待てェ、失礼すんじゃねェ
冨岡義勇
冨岡義勇
俺には関係ない
伊黒小芭内
伊黒小芭内
関係ないとはどういうことだ?
貴様には柱としての自覚が足りぬ
それとも何か?自分だけ早々に鍛錬を始めるつもりなのか?
会議にも参加せず
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
冨岡さん、どうして直ぐに帰ろうとするんですか?
冨岡義勇
冨岡義勇
俺はお前たちとは違う
悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
パァン!
あなた

っ!

あなた

(空気が……すごく揺れてる………!)

悲鳴嶼行冥
悲鳴嶼行冥
座れ。話を進める……
ひとつ提案がある

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