第189話

返事
44
2023/03/21 15:40
『返事を返す機会をください』…そう言った彼女は俺とアトリエに来ていた


そしてなぜか真っ白で袖余りするくらい長い袖に膝が隠れるくらいの胸にリボンが着いた新品のワンピースに着替えて戻ってきた


俺も念の為置いていた服に着替えた


そして床にめちゃくちゃ大きな画用紙置いて


ペンキが入ったバケツをいくつか並べて


素足で絵を描き始めた
(なまえ)
あなた
もう少し待ってて
フジ
フジ
うん…楽しみにしてる
返事の言葉でも描いてくれているのだろうか?


と思ったが違うようで


彼女は自分の服にペンキや絵の具がつくのはお構いなしに…なにか…特定の物を描いているようには見えない


なんかまるで…
(なまえ)
あなた
____
妖精が湖の上で踊っているように描いている


バレエでも見てるみたいだ


そしてすごく楽しそう
(なまえ)
あなた
💥Σ(°o°*ノ)ノうわっ
あっ転けた



いつぞやと同じように彼女は仰向けに転んだ



また真っ赤な絵の具が彼女の髪を染めている



前と違うのは…
(なまえ)
あなた
またやっちゃった〜w

彼女がなんだか嬉しそうっていう点



その光景に俺は
フジ
フジ
大丈夫?あなたちゃん、ほら立て…
ツルッ
フジ
フジ
うわあっ!
ドサッ
自分もすっ転んだ


しかも彼女に覆い被さる形で
(なまえ)
あなた
おっと…
フジ
フジ
ごめんあなたちゃん…ぶつけてない?
(なまえ)
あなた
うん…大丈夫
フジ
フジ
あと…あなたちゃんごめん…悪いけど…
(なまえ)
あなた
んッ…
これで我慢しろとか無理







~あなたside〜


キス…早いなぁ…





わたしまだ返事返してないのに…





わたしはどこにも行かないのに





彼は今捕まえたいようです





胸の奥があったかい





ふわふわして…なんか気持ちよくて…




やっぱりわたしは間違ってなかった




あの時のように赤く染まる床…




最後に…唯一無事だった白いペンキが倒れた




そして先に倒れた真紅の絵の具と混ざりあって画用紙を染めた

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