第58話

story57.
1,805
2021/02/22 14:30




恭「……おお、はよ」


































水が入ったペットボトルを持って、私を一瞥してから何事もなかったかのように視線を戻す。




それだけでも心臓がずきんと痛む気がして恭平の服の袖を掴んだ。































恭「…ん、なに」









「…私、恭平のこと怒らせたかなって」









恭「……昨日の電話の事なら気にせんでええよ。俺が機嫌悪かっただけやし」









「ほんと…?私、嫌わせてない、?」









恭「…前も言ったやろ。お前と不仲なんて思ったことないって」



































ほい、と手渡されたりんごジュース。




私が昔から、大好きだったやつ。

































「……なんで覚えてるの…?」




「私は恭平のこと、全然知らないのに」






























雑誌のインタビューで初めて知ることとか、私は沢山あったのに。




恭平はどうしてそんなに私のことを分かっていてくれてるんだろう。































恭「別に、聞かれたら何でも答えるよ」































照れくさそうに目を逸らして、楽屋戻ろって私の前を歩いていく。




…本当に、なんでも答えてくれる、?




今なら何か勇気をだして聞けそうだけど。

































「……私のこと、どう思ってる?……とかでも答えてくれる…?」









恭「…は、」









「同期とか不仲とかそういう事やなくて……、、どう思う……?」




































…素直に、恭平の気持ちが知りたかった。




どんなに私の望む答えとはかけ離れていても、今ならどんな形にしても受け止められる気がして。








































恭「なに急に……メンバーとして普通に好きやけど」









「そっか……。私も恭平のことすき、」









恭「ちょ、、、なんなんだる 笑 」









































鼻で笑われて " あーもー、ええから行くで " って手を引かれる。















恭平の手の温かさを感じながら、華奢だけど意外と広いその背中を追いかけながら、この恋は諦めよう、そう思った。









































「…ね、恭平、」









恭「んー?」









「…私ね、恭平のこと好き」









恭「はいはい、わーった、」









「……男の人として、すき」









恭「……………………え、、はあっ、!?」













































プリ小説オーディオドラマ