第21話

story20.
2,348
2020/12/12 02:42

























恭「はよ開けて」




















ドアを開ければ立っているのは間違いなく少し前に帰ったはずの恭平で、走ってきたのか少し息が上がってるし、雨にも濡れてる。




ソファーに座った恭平は隣に座るように促してきて、

























「…なん、で、」









恭「……ごめんな」









「え、?」









恭「お前が雷苦手ってこと、さっき思い出した」









「わざわざ戻ってきてくれたん?」






















私、雷苦手なんて恭平に、というかメンバーにも言ったことない気がするけど。



















恭「入所当時、レッスン中に雷鳴る度ビクビクしてたからこいつ怖いんかなって」




















…いつからそんなに見てくれてたの?




私の事、なんでそんなに知ってるの?




















その瞬間、大きな音で鳴った雷に思わず恭平の手を握ってしまう。























「…っあ、ごめん…」









恭「…ええよ」






















そのまま手を引き寄せられて、恭平の鼓動が聞こえる。




一定のリズムを刻む音は、雷の音を緩和させるくらい優しい音で。
























「…ありがとう」









恭「ん」









「…恭平って意外と私のことみてくれてたんやね」









恭「……まあな」





















そこからの記憶は曖昧で、私は恭平の胸の中で眠ってしまっていたらしい。




朝起きたら恭平はもう居なくて、急いで身支度をしなきゃ行けない時間で。























恭平にお礼を言ったはいいものの、照れくさくて1週間位あまり話せなかった。






















" お前ら休日に2人で過ごしてんのに何でこんなに変わらへんの "








と言わんばかりの駿の顔が忘れられんけど、すこーしずつ、変わってはいるんだよ。












プリ小説オーディオドラマ