恭平と少しでも前みたいに戻れるように。
「……あの、恭平?」
恭「んー?」
「…ちょっとだけ、くっついてもいい……?」
恭「は」
「……だめ?」
恭「……別にええよ」
怪訝そうな顔をしているであろう恭平。
ハグって……どうやってすればいい?
何気ない日常でハグってどうやってするんやろ。
このままくるっと振り返って抱きつくのも不自然だよね、
恭「……みっちーになんて言われたん?」
「えっ、あの……ハグしてこいって……」
恭「…あ〜〜、、後で覚えとけよ、」
恭平の言葉にコクコクと頷いていると
後ろからパッと引き寄せられて、思わず全体重を全部預けてしまうような体制になる。
気づけば私は恭平の足の間に居て、肩から腕を回されてハグされている状態。
軽くパニックで、ゲーム機片手に固まっていた。
……ちか、い…
恭平とこんな密着したことない。
ちょっとだけ見上げてみれば恭平は涼しそうな顔してるし、
ほら、急にこんなことするからカメラマンさんの動き完全に停止しちゃってるじゃん。どうしよ、
…なんてそんなことを思っていれば心配無用だったらしく…
急に動き出して興奮したようにパシャパシャと撮り始める。
…やはりこれはレアだからなのか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!