恭平side
" 恭平あなたのドラマあるからはよ帰らな!! "
ダッシュで家に帰っていったみっちーと長尾のことを思い出す。
もちろん俺も1話から録画してあるけど、忙しくて中々見る暇がなくて。
飯でも食いながら見るかーってテレビの電源を付けたら、ちょうどやっていて。
恭「3話か、、」
制服を着たあなたと、最近よく共演している俳優さん。
空気感やら物語の進み方やら。すぐこの2人が恋人であることは理解した。
最近あなたには会えてなくて、連絡もいつものことやけど取ってない。
日刊で更新されるメッセージとかは長尾とみっちーが見せてくるからチェックしてるけど、……まぁ久しぶりにみると可愛いよな。
俺たちと話している時より緊張しているのか、少し高くなった声にいつもと変わらない笑顔。
全部、俺に向けられているわけでもないのに、ちょっとドキッとするのが嫌になる。
唐揚げを頬張りながら悶々としていると、主人公の部屋のシーンに切り替わる。
…制服姿の男女が2人きり。
華奢な肩を抱かれたあなたが、好きと呟く。
" 好き "
ananの撮影の時に言われたその言葉が、不本意にもフラッシュバックする。
その後あなたにキスされた時のことも。
向けられた視線も、声も、、ドラマと重なって。
キスシーンを黙ってみることしか出来ない自分が、変にもどかしい。
あの柔らかい唇の感触も、体温も、自分以外の誰かに知られたと思うとやけにイラつく。
恭「………長いし、」
ずっとくっついたままの唇。
おまけに最後はあなたの方から重ね合わせにいくから、見てられんくて。
…分かってる。
あいつは誰のものでもなくて、もちろん俺のものでもない。
ただのメンバー同士。熱愛なんてもってのほか。
そしてあいつも、いつかはああやって誰かのものになる時がくる。
…やけど、その誰かが俺やったらええのにって。
俺以外のやつにキスされてるあなたを見ながら、そんなことを思う俺はどこかおかしい。
……電話、してみようか。
俺だけに向けたあなたの声が聞きたくて、あなたとのトークルームを開く。
もう数ヶ月個人で連絡を取っていなくて、電話ボタンを押すのを躊躇ってしまう。
そのまま動けずにいると、急に鳴りだすスマホ。
恭「…あなた、?」
☁*°
テスト前なのでめっちゃ🐢更新なります😪😭
いつもモチベになってるのでよかったら🤍と🌾お願いします~🙇🙇
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!