駿「あ、恭平…………………秘密です」
「…秘密です」
恭「なんやねん 笑 」
少し呆れて笑うその顔も、結構好きだったりする。
恭平なりに楽しんでることがわかるから。
恭「みっちーよばれてんで」
駿「あ、まじ?ありがと」
私の頭を撫でて出ていく駿。
……結果、私たちが残されるわけで。
「………この間ごめんね」
恭「…別にええけどさ、なんかあった?」
" 言うてみ " って私の顔を覗き込んでくるけど、、言えるわけないやん。
恭平のことが好きで、キスした。
そんな事実、いえるわけない。
「なんかちょっと、どうにかしてたみたい」
恭「…まあそれだけならええけどさ」
「あの…ごめんね、いきなり」
恭「…ほんまにな。仕事でもないのになんでお前とキスせなあかんの 笑 」
「…そ、だよねほんとごめん…… 笑 」
無理に作ったこの笑顔は、恭平にはバレていないだろうか。
泣いてしまいそうで、、今すぐこの場から逃げ出してしまいたい。
こんな気持ち、抱く方が間違ってる。
なんなら、1番好きになってはいけない相手。
それはちゃんとわかっているのに。
…だけどもう、手遅れなの。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。