私は、学校で孤立していた。まあ当たり前だよね。
そう思いながら、学校に来て席に座る。
いつも通り、イヤホンをして誰も近付けなくさせる。
しばらくすれば、先生が入ってくる。
先生が来たので、イヤホンを外し先生の話を聞く。
教室のドアの方にそう合図をすれば、一人の子が入ってくる。
その瞬間に騒がしくなる女子達。
なんて言う声が続々。
うるさいよ……少しは静かにしてられないの?と少しイラついていれば、バンッと誰かが教卓を叩いた。
皆が驚いて、そこを見る。叩いたのは……転校生の子だった。
優しく、けど明らかに黒い笑みを浮かべるその人。
な、何この人。でも、教室は静まり返った。
そのタイミングをみて男の子は自己紹介を始めた。
ペコッと頭を下げてニコッと笑った顔は、この教室の女子達のハートを射抜いただろう。私は、興味ないけど。
異議なんて言えない。さっきみたいにあの男の子が怒ったら怖いもん……。
男の子は短く返事して、私の隣の席に座った。
そして、ホームルームは終わったのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。