第9話

ルキの反抗
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2018/04/16 10:11
カールハインツ
カールハインツ
...ルキ。イヴについてだが、最近の様子はどうだ?...イヴとして覚醒する兆しはありそうか?
無神ルキ
無神ルキ
...はい。イヴについてですが、普段と変わりはなく...まだイヴとして覚醒するといった兆しは、見えてきていないのが現状です...。
カールハインツ
カールハインツ
...そうか。イヴの様子は、どんな感じだ?
無神ルキ
無神ルキ
...以前のように俺達を警戒したり、逆巻の者とコンタクトをとるなどといったことは無くなり、俺達の吸血を拒むこともあまり無くなり、屋敷での俺達の生活にも慣れてきた、といった感じです。
ルキの報告を聞いたカールハインツは、しばらく沈黙したあと...。
カールハインツ
カールハインツ
...ルキ。私の計画のために、イヴ、そしてアダムとなる存在が覚醒することが必要となる。それは、分かっているだろう?
無神ルキ
無神ルキ
...はい、カールハインツ様。重々、心得ております。
カールハインツ
カールハインツ
...では、私はイヴが今後もお前達の屋敷にいても覚醒する兆しがないということであれば、もう一度彼女を...イヴを逆巻に...私の本当の息子達のところに戻そうかとも考えている。アダムは誰となりうるかまだ分からないが、逆巻のあの兄弟の中にいるとも限らない。そこで、イヴは覚醒を果たすかもしれない。...ルキ、お前は、協力してくれるな...?
無神ルキ
無神ルキ
...!
カールハインツは真っ直ぐにルキの事を見た。ルキはカールハインツの強大な魔力を秘めた眼光に圧倒されながらも、少しの沈黙のあと...。
その重い口を、僅かに震わせながらも、はっきりとその言葉を口にした。
無神ルキ
無神ルキ
...カールハインツ様。すみません、俺は...。...その件については、協力...できません...。
カールハインツ
カールハインツ
...ルキ...?お前が私にそんなことを言うなど、初めてだな...。この私に反抗するとは...。...ルキ、ではお前がそこまで言う、反抗する理由は何だ?聞かせてみろ...。
無神ルキ
無神ルキ
...っ!それ、は...。
カールハインツが放つ強大な魔力、オーラにルキは圧倒されながら...少し目を伏せて、口ごもった。
無神ルキ
無神ルキ
俺、は...イヴの...あいつのこと、が...。...っ!
カールハインツ
カールハインツ
...ほう、言えない、か...。では...。
カールハインツはそう言うと魔力で無神の屋敷を写し出し、様子を確認し...。
無神ルキ
無神ルキ
...っ!カールハインツ様、何を...っ!
魔力を振りかざし、使い魔を使ってコウ達にこう呼び掛けたのだった。
カールハインツ
カールハインツ
...コウ、ユーマ、アズサ。...それにイヴ。ルキが、私に反抗をした。...今すぐにイヴも連れて、エデンへ来るように。
...と。

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