それから数日後のある日だった。私が近所の学校に行くまであと2日ほどとなっていた。あの5人が怖かった私は、失礼ながら朝食を人数分作って先に食べるなり部屋に戻ってしまった。
勿論5人に声はかけて来た。朝ご飯作りました、と。皆さん起きていたようで、了解の意思を伝えてくれたので大丈夫だろう。きっと。
にしたって今から何をしていようか。生憎勉強出来るようなものは貰っていないのだ。
因みにだが、ギリシャと日本では学校の仕組みはあまり変わらない。小学校に6年間、中学校に3年間、高校に3年間通うと言う仕組みだ。
更に更に言ってしまうと、日本とカリキュラムもあまり変わらない。国語とかそう言う文系科目の他に、科学などの理系科目を勉強する。そこに宗教学の勉強がちょっと加わるが、大方日本と一緒だ。
と言うわけで、あまり事前にやることがないのである。寧ろ私の方が少し進んだ範囲をやっているくらいだ。…まあ、勉強が得意とは言えないのだけれど。
とそう言うわけだから、あまりやることがなく暇であった。学校に行ってからはさぞや忙しくなることだろうとは思うが…今は学校のためにエネルギーを貯めておくべきなのかもしれない。
ふと、外の空気を浴びるのはどうかと思ったが…よく考えなくても数日前にそれでやらかしたばかりだったので、それだけはダメだったと思い直す。
それに、軽率に外に出たらまた迷子になりかねない。もしまたあの金髪の怖そうな男の人に話しかけられたらいよいよどうしたら良いか分からないし…。
持って来た本も何冊かあったが、もう全部読み切ってしまった。荷物がかさばるからあまり持って来なかったのだが、もう何冊か持って来れば良かったと謎に後悔する。
困った。今日一日何をしていようか。でもあの5人と普通に話したり出来る気がしないし…。
そう行き当たりばったりになっていた時だった。コンコンとノックされる音が聞こえたかと思うと、ドアが開いた。だ、誰だろう…と思って振り返ると……
そう問うてきたジョルノさんだが、何か予定でもあるのだろうか。少なくともリビングの壁にかかっていたカレンダーには何も書かれていなかったはずだが…。
だが、まあ何か用がアルンだろうと思った私はすぐに切り替えて頷く。実際暇だと思っていたくらいだし、何か用ができるのは好都合だった。
私が頷いたのを確認したジョルノさんは「良かった」と言って優しく微笑むと、
………ん?これはもしや…お出かけかな?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。