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第8話

1-7
(なまえ)
あなた
ただいまー
家に入ると、何かの出汁の匂いがする。

みそ汁だろうか。

なんとなく、母の匂いとは違った。
_哀音@かなと_
哀音かなと
あ、おかえり、兄貴
台所には紺色のエプロンを着けた哀音がいる。
(なまえ)
あなた
今日は母さん遅いんだっけ
_哀音@かなと_
哀音かなと

「ん」って何だ「ん」って。

もう少し反応があってもいいだろうと思ったが、食欲をそそる匂いに負ける。




母さんには悪いが、哀音の料理はうまい。

たまにこうして母さんが遅い日は、哀音が作って待っている。

僕が作ることもあるが悪くもなければよくもないという微妙さなので、大抵哀音に任せている。



近くに行くと、こうばしい香りもした。
_哀音@かなと_
哀音かなと
さけあるっていうから、ムニエルにした
みそ汁にムニエル。

和洋折衷せっちゅうというやつか。違うか。


素直に焼き魚にしない辺りが哀音らしい。
(なまえ)
あなた
おいしそうだね
_哀音@かなと_
哀音かなと
兄貴のためだからな
(なまえ)
あなた
たまには父さんや母さんにも作ってあげなよ
そう言うと、哀音はねた。



僕が近づくと、哀音はふとすんかすんかと鼻を動かす。
_哀音@かなと_
哀音かなと
兄貴?なんか別なやつの匂いがする
(なまえ)
あなた
匂いって何さ。哀音犬じゃあるまいし
に落ちないという顔をされたが、僕は別段気にしなかった。


哀音が仕方なさそうに調理に戻り、そういえばと切り出す。
_哀音@かなと_
哀音かなと
兄貴、今日遅かったな。何かあったの?
(なまえ)
あなた
勉強。家帰るとやる気なくすから
_哀音@かなと_
哀音かなと
精が出ますね
弟の見事なまでの片言に、僕はじとっとした目を向ける。

けれど哀音はしれっと無視して、へらでフライパンに乗っている魚を返していた。


バターの豊潤ほうじんな香りが広がる。

途端に食欲が戻ってきた。
(なまえ)
あなた
早く食べたい
_哀音@かなと_
哀音かなと
すぐできるから。兄貴は日課、やってきたら?
おおっと忘れるところだった。



哀音の言う僕の日課とは、花の世話だ。

それらの花は、庭の片隅で育てている。

季節ごとに違う花を見られるようにしているのだ。
庭に出ると、月明かりが草花を照らしていた。
(なまえ)
あなた
シロタエギクは季節を問わず面白いよねぇ
水をやりながら、きらきらとした細い枝のような葉に目をやる。

花がなくてもどこか華やかなのがシロタエギクだ。



時期は徐々に夏に向かう頃。

思い切って向日葵ひまわりを植えたが、ちゃんと咲くだろうか。
(なまえ)
あなた
楽しみだなぁ




そういえば、学校の花壇かだんはどんな花を咲かせるのだろうか。

物思いにふけるうち、哀音かなとが呼びに来た。
_哀音@かなと_
哀音かなと
おーい、兄貴ー……って、また花のこと妄想してんの?
(なまえ)
あなた
妄想とは失礼な。想像だよ
_哀音@かなと_
哀音かなと
変わりゃせんだろ。晩飯できたぞ
哀音はとうとう僕にまで反抗期か。違うか。




とりあえず、いい匂いのする方向へ向かっていく。

食事は既に並んでおり、哀音はエプロンを丁寧ていねいたたんでいた。


兄弟二人きりというのは物寂しい。

でも哀音の料理はおいしそうだ。