@ 中島敦side
杉本巡査の背中に手を当て 、腕を捻り 、体勢を崩させた 。
この言葉に杉本巡査は叫んだ 。
杉本は肩を落として悔しさに顔を歪めた 。
箕浦は失望したように杉本に言った 。
_____
夕焼け空が窓から見える 。
暗い夕焼けの明かりだけが入るこの部屋は 、事情聴取に使われた 。
杉本は俯いた 。
「 ど う し て も 警 察 官 に な り た い か 」
箕浦の言葉に杉本は必死になって首を振った 。
杉本 「 山際さん 、相手は本気です 」
山際 「 ならば此方も本気になるだけよ 。馴染みの検察に渡りは付けたわ 。後は此証拠品を渡すだけ
」
杉本 「 …… 」
杉本は拳銃を突きつけ 、撃鉄を起こす 。
山際 「 杉本君… ? 」
杉本 「 証拠品を渡して下さい 。若し僕が証拠の奪取に失敗すれば次は殺し屋が動く 。其の前に…… 」
山際 「 銃を降ろしなさい杉本君 、貴方に私は撃てない 」
杉本 「 其の通りだ…… 」
杉本 「 だから .ᐟ.ᐟ 脅し方を変えるッ 」
山際 「 辞めなさい杉本君ッッ .ᐟ.ᐟ 」
揉み合いになった瞬間 、銃声が鳴り 。
発射された銃弾は偶然にも山際の胸を撃ち抜いていた 。
乱歩は彼の背後に立つと意地悪そうに微笑んだ 。
山際 「 ご め ん … な さ い …… 」
杉本は机に顔を近ずけて涙を流し始めた 。
ぽ ろ ぽ ろ 、、
滝のように溢れ出る 。
@ 有栖川あなたside
ハンプティダンプティに礼を言い 、
手当してくれたチェシャ猫とも別れた 。
直ぐに鏡を通ると芥川が倉庫内の貨物に座って待っていた 。
二人は迎えに来た樋口の車に乗って帰った 。
所々服が銃弾によって破けている有栖 。
返り血や自身の血が付着していた 。
有栖は少し微笑んだ 。
頬に手を抑えて口を尖らす 。
唇をきゅっと結び 、幸せそうな樋口 。
運転しているのだから前を見て欲しい 。
元 気 … 。
此 能 力 は 限 界 迄 引 き 出 さ な け れ ば …… 。
弱 く な れ ば 、
死 ぬ 。
“ 見 捨 て ら れ る ”
n e x t ⇒
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。