@中島敦side
“ 異 能 力 者 だ か ら ね ”
乱歩は否定も慰めもせず 、自分の能力を誇った 。
之に箕浦刑事は益々キレる 。
そンな刑事を宥めるのは真逆の太宰 。
之には敦も顔を顰めた 。
肩を落として苦笑している 。
座 右 の 銘 を 聞 い て こ ン な に 納 得 し た の は 初 め て だ … 。
敦の座右の銘
『 生きているならいいじゃない 』
太宰の座右の銘
『 清く明るく元気な自殺 』
待ってましたと言わンばかりの顔で乱歩は眼鏡を取り出した 。
皆は無言で見守っていた 。
“ 事 件 の 真 相 が 判 る 能 力 ” … 。
本 当 に そ ン な 力 が 存 在 す る の か …… ?
冴えた瞳が捉えたのは …
真っ直ぐと指さし 、
若葉色の瞳が相手を貫く 。
君 だ 。
@ 有栖川あなたside
東第四倉庫に侵入した 。
外では芥川が残りの者共を片付けて居る 。
よく響く此空間に透き通った綺麗な声を響かせる 。
血なまぐさい空間は嫌いだ 。
此倉庫は未だ使うのだから血で汚すのは勘弁してほしい 。
抑 、此 処 に 居 る の か … ?
倉庫の荷物に隠れて居た有栖の背後に鉄パイプを持った男が勢いよく振りかざして来た 。
空気を切り裂く音に気が付いた有栖は振り返りもせず 、
何発か撃った 。
背中に生暖かい液体を感じたが直ぐに冷たくってしまった 。
返り血を浴びた儘 、有栖は大きく開けた場所へ走った 。
カ ン カ ン カ ン …… 。
革靴の音が鳴り響く 。
開けた場所迄来ると四方八方から男達が飛び出して来た 。
銃を構え発砲する 。
鉄パイプ 、ナイフ 。
之らは捌く事は簡単だった 。
直ぐに血液を流しながら倒れ血溜まりを作る 。
しかし 、、、
上空から機関銃の音がした 。
2階の鉄階段からだった 。
数弾掠めながらも直ぐに陰に入り込み 、回避 。
相手の位置が窓硝子に近い為 、異能力で殺す事は容易い事だった 。
近くに落ちていた割れた硝子に手を突っ込み 、
引き金を引いた 。
直ぐに機関銃を持った男達は倒れ階段から落下 。
能力で敵を倒している有栖に 、
男が金属バットを振って近づいてきた 。
有栖は息が荒く 、怪我のせいか五感が鈍っていた のだ 。
其のせいで 、
呻き声をもらしながら 、
倒れた 。
朦朧とする意識の中 、
焦点の合わない瞳で相手を捉える 。
有栖が意識を失った後 、自己防衛の為自動で異能力が発動した 。
触れていた窓硝子の破片に吸い込まれると有栖はこの世から消えたのだった 。
闇に包まれた鏡の国へ 。
n e x t ⇒
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。