第20話

💍運命論者の悲み
8,369
2022/09/17 20:00


@ 中島敦side




銃声が聞こえ振り向くと 、窓硝子が飛び散る探偵社の階 。


 …… !?


敦は懸命に走り出した 。
中 島 敦
( 何で探偵社が……また僕のせいで皆が )
探偵社に飛び込むと同時に敦は叫んだ 。
中 島 敦
辞めろおぉ .ᐟ.ᐟ
然し 、思っていた状況と違う 。


国木田が広津を床に叩きつけていたのだ 。
中 島 敦
ぇ ?
宮 澤 賢 治
よっと
黒服の一人を投げ飛ばす賢治 。


立原も銀も 、二人とも情けない姿で転がっていた 。
与 謝 野 晶 子
はッ .ᐟ.ᐟ
黒服の最後の一人を与謝野女医は蹴り飛ばした 。


乱歩は何事も無かったかの様に足元に黒服が転がる中 、デスク上でラムネを飲んでいる 。
国 木 田 独 歩
ん 、やっと帰ったか小僧
中 島 敦
え 、ええ﹣﹣﹣﹣……
国 木 田 独 歩
之だから襲撃は嫌いなンだ 、予定が大幅に狂ってしまう
国 木 田 独 歩
オフィスのリフォ﹣ムと壊れた備品の再購入に一体いくらかかると思ってる .ᐟ.ᐟ
与 謝 野 晶 子
機関銃とは派手な襲撃だったわね
与 謝 野 晶 子
今回のご近所からのクレ﹣ムにお詫びの品を持って回るの 、国木田君の番だからね
更に嫌そうな顔をする国木田 。


既にキレてるのにまだ怒りそうだ 。
国 木 田 独 歩
ああ……結局“最悪の状況”に成ってしまった
そう 、之 、が最悪な状況なのだ 。


之 、で 。
宮 澤 賢 治
国木田さ﹣ん 、此奴らどうします ?
国 木 田 独 歩
窓から捨てとけ
宮 澤 賢 治
了解﹣ィ♡
賢治は黒服達を容赦無く投げ捨てる 。
国 木 田 独 歩
いつもの事ながら 、襲撃は本当に勘弁して欲しい……
 い つ も !?


 物 騒 じ ゃ ン 、マ フ ィ ア よ り …… 。
国 木 田 独 歩
さっさと手伝え小僧
国 木 田 独 歩
貴様も探偵社の一隅……
様々な思いが混じり合い 、涙を流した敦 。
中 島 敦
…そっか……はは 、は……
国 木 田 独 歩
貴様 、へらへら笑ってる暇が有ったら
国 木 田 独 歩
…… ?
国木田は振り向くと驚いた 。
国 木 田 独 歩
何だお前 、泣いてるのか
中 島 敦
ななな泣いてません .ᐟ.ᐟ
国 木 田 独 歩
泣いてるじゃないか
中 島 敦
だから泣いてませんって .ᐟ.ᐟ
国 木 田 独 歩
之だから 、全くお前は最近の若い奴の典型だ
中 島 敦
之は違います
国 木 田 独 歩
だって泣いてるじゃないか
中 島 敦
違うンですッ !?





@ 有栖川あなたside







銃声は直ぐに治まった 。


矢張り 、勝てる訳無いのだ 。
太 宰 治
で 、先程言いかけた言葉は ?
 あ 、
有 栖 川 あなた
……昔の知り合いに似て居られると
太 宰 治
嗚呼 、そうだね
其れは 、其れは … 一体 。


期待と不安と恐怖と 、色々な感情が渦巻き気持ちが悪い 。
太 宰 治
真っ黒なリボンを頭に付けた小さな女の子でね 、鏡から出てくるアリスの様な子だよ
 っ …… 。


喉が急に痛くなった 。


目頭が熱くなり 、手は震える 。


気づかれないように必死に隠した 。
太 宰 治
あの子も異能力者で迚強かった
有 栖 川 あなた
そうなンですね…
 強 い 。


 此 一 言 を 聞 い た だ け で 迚 、迚 嬉 し い 。


更にもう少し聞こうとした 。
有 栖 川 あなた
其の子とは 、もうお会いして無いのですか ?
太 宰 治
連絡したら出来るンだけど 、嫌われててね
有 栖 川 あなた
何か喧嘩でも…… ?
太宰は口を開きかけたが何かの言葉を飲み込んだ 。


そこで有栖は気づく 。


 踏 み 込 み 過 ぎ た 。
有 栖 川 あなた
ぁ 、出過ぎた事を言いました
有 栖 川 あなた
すみません 、赤の他人が
太 宰 治
否 、貴女があの子に似ているせいか迚安心出来る
 安 心 …… ?


 何 故 … 。
太 宰 治
一応 、あの子とは付き合い長いからね
有 栖 川 あなた
そうなのですね
太 宰 治
おっと 、国木田君の気配が…
嫌そうな顔をしつつ立ち上がると 、太宰は尋ねた 。
太 宰 治
また 、此処へ来るかい ?
有 栖 川 あなた
今度の休暇にでも
太 宰 治
此処に居なければ探偵社を訪ねてくれるかい ?
有 栖 川 あなた
…何故 ?
太 宰 治
もう少し 、貴女と話してみたくなった
有 栖 川 あなた
ま 、また…今度……
太 宰 治
嗚呼











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