第21話

🫧Murder on D Street
8,335
2022/09/22 20:00



@ 中島敦side




オフィスの片付けをしている一同 。


 あ の 武 闘 派 集 団 、黒 蜥 蜴 を 倒 す な ン て … 探 偵 社 、恐 る べ し 。


皆が働いている中 、江戸川乱歩はラムネの中にあるビ﹣玉を転がして遊んでいた 。
江 戸 川 乱 歩
ねえねえ春野っち 、この瓶の中からビ﹣玉取り出してくれる ?
春 野 綺 羅 子
はい 、ただいま
 ビ﹣玉 …… ?
春 野 綺 羅 子
之で宜しいですか 、乱歩さん
江 戸 川 乱 歩
うん 、良いよね﹣ビ﹣玉
春 野 綺 羅 子
良いですよね 、ビ﹣玉
その様子を見ていた敦は困り顔で尋ねた 。
中 島 敦
あの……
乱歩さんは手伝わないんですか ?
国 木 田 独 歩
ん… ?
江 戸 川 乱 歩
国木田く﹣﹣ん
中 島 敦
うわわわわッッ
デスク上から飛び降りる乱歩 。


口角を上げて楽しそうにしている 。
江 戸 川 乱 歩
僕そろそろ“名探偵”の仕事に行かないと
国 木 田 独 歩
嗚呼 、殺人事件の応援ですよね ?
江 戸 川 乱 歩
全く 、此街の警察は僕無しじゃ犯人一人捕えられないンだから ~
江 戸 川 乱 歩
でもまあ
乱歩は自慢げに語る 。
江 戸 川 乱 歩
僕の“超推理”はこの国でも最高の異能力だ .ᐟ.ᐟ
江 戸 川 乱 歩
皆が頼っちゃうのも仕方ないよねぇ
国 木 田 独 歩
頼りにしてます 、乱歩さん
敦はただただ 、無言で見ているだけだった 。
春 野 綺 羅 子
凄いですよね 、“超推理”
春 野 綺 羅 子
使うと事件の真相が瞬時に分かるなンて
国 木 田 独 歩
探偵社 、否 、全能力者の理想です
江 戸 川 乱 歩
当然だね
ふんす 、と胸を叩いて見せる乱歩 。


無言で見詰めていた敦に国木田は声をかけた 。
国 木 田 独 歩
ここの片付けはいいから乱歩さんのお供をしろ
中 島 敦
ぼ 、僕が探偵助手ですか ? そんな大層な任務…
江 戸 川 乱 歩
まさか
乱歩は不思議そうにした 。


 …… ?
江 戸 川 乱 歩
二流探偵じゃあるまいし 、助手なンて要らないよ
 じ ゃ あ 僕 は 何 を … ?
江 戸 川 乱 歩
ほら僕 、
乱歩は人差し指で帽子をクイッと上にあげると笑った 。
江 戸 川 乱 歩
列車の乗り方判んないから



は あ ぁ … 。













@ 有栖川あなたside


太宰が去り 、一人珈琲を見詰めていた 。
有 栖 川 あなた
( 私は立派な淑女に見えていたのだろうか… )
美 し い 人 。


どンなにあの人が歌劇団や舞台舞台ファンだったとしても 、


あの様な言葉は迚 、嬉しくてたまらなかった 。
有 栖 川 あなた
( 之 、私だって気付かれた時が嫌だな )
邪険にされたり 、幻滅されたり 、その様な事が有れば…… 。


そう考えてしまうと有栖は次会う日が怖くなった 。
有 栖 川 あなた
( 尊敬はするが好きでは無い )
有 栖 川 あなた
( ……若しあの人を好きになるきっかけが有っても 、誰かに止めてもらう )

私 の 住 む 国 は 闇 だ か ら 。

有栖は珈琲を一口飲むと再び本を開いた 。









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