第47話

✡ 目覚めを待つ人 ✡
257
2018/06/20 14:55
??). . .きろよ、

??). . .あなた

まだハッキリしない意識の中
誰かが私を呼んでいた. . .

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ー 一ノ瀬彼方side ー

憂)彼方

彼). . .はい!

憂)最近、ミス多くない?

彼)申し訳ございません. . .

憂)あなたの事はわかる
でも、今の彼方をあなたが見たら
ガッカリするんじゃない?

彼)ッッ. . .

憂)今は一ノ瀬彼方でいいから
話してよ

彼). . .俺は、あなたを
助けに行ったのに. . .
助けられなかった、

俺がもっとしっかりしてれば. . .
少しの油断が命取り、
わかっていたはずなのに、

憂)助けられなかった、
それは違うんじゃないかな

彼)え、?

憂)助けられなかったは
あなたが遠山に殺された時に
言う言葉であって
まだあなたは死んでいないんだから
助けられなかったは違うと思うよ

彼)憂. . .

憂)まぁ、あなたが起きた時に
胸をはれるように今は
踏ん張って頑張るんだよ

そうだよな、
俺がこんなんじゃあなたに
合わせる顔がねぇよな、

彼)はい!

憂)じゃあ、手始めに
庭に入ってきたお客様と
遊んで来て?

彼)こんな時に、

憂)俺はあなたの様子を見てくるよ
万が一そこに入られたら
あなたは今無防備だからね

彼)??

憂)ほら、行ってこないと

彼)承知しました

あなたが目を覚ました時、
胸を張れるように、今は頑張るから
目を覚ましたら

俺の気持ちを聞いてくれるかな

彼)自分だけ気持ちを伝えて
逃げるなんて、
そんな事俺が許さない、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ー博麗あなたsideー

貴)んん、

目を覚ますと、見慣れた天井が見え
私は帰って来たんだ、と実感した

貴)夜、か. . .

揺れるカーテンから
覗く月明かりだけが
暗い部屋の中を照らしていた

貴)いてっ、

体を起こすと、
まだ傷が塞がっていないからか
傷口が痛みその痛みが体を駆け巡った

貴)私、どれくらい
眠ってたのかな. . .

なんて考えながら
痛む傷口を我慢してベット横の
スタンドライトを付けた

貴)ホントに帰って来れたんだ、

まだ、実感わかないや笑
皆には心配かけちゃったよね、

そんな事をカーテンから
覗く月をながめながらぼ〜っとしていると

ガチャッ

いつもなら気付くのに
ぼ〜っとしすぎていて気が付かなかったのか
誰かが部屋を開けていた

彼). . .あなた?

ドアを開けると、風が強く吹き
カーテンを大きく揺らし
月明かりが一ノ瀬さんを照らした

貴)一ノ瀬さん. . .?

月明かりに照らされた
一ノ瀬さんの頬には
涙がつたっていた. . .

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