第10話

✡ 初めてのお客様 ✡
415
2018/04/04 14:21
この屋敷のメイドになってから
数週間、今ではすっかりみんなと打ち解け
あの日の事もあり
みんなを仕切っているのが私になった

ー夜ー

その日もいつものように夕食を終え
みんなが休憩していると

貴)ん、外がうるさい

碧)そう?

メ)私にはわからないですだよ

広)気のせいじゃねぇか?

貴)ちょっと部屋に行ってくるね

碧)わかった

休憩室の奥にある私の部屋に行く

貴)まさか、だけど一応ね

私は部屋に置いてある刀を取り
休憩室に戻ると険しい顔をした
一ノ瀬さんがいた

貴)一ノ瀬さん

彼)その刀は?

貴)外が騒がしいようなので
見回りに行こうかと

彼)見回り、かんも鋭いのですね

貴)やっぱり、

メ)ネズミですだか?

碧)お掃除ですか、

彼)えぇ、皆さん屋敷に
お客様がお見えのようです
貴方達でもてなしてあげてください

おもてなしね、
この屋敷に来て初めてのお客様
上手くもてなせるかな?

碧)あなたは私と来る?

貴)ん〜私は裏門の方に行くよ

広)じゃあ俺は正門で

メ)私は屋上に行くだよ

貴)じゃあみんなまた後でね

少しの不安を抱えながら
私は裏門に回る

ガチャッ

皆が部屋を出たあと静かに休憩室を出た

博麗あなた

彼女後ろ姿を見つめ

彼)お手並み拝見、ですね

と、ニヤリとした顔を浮かべながら
呟いたのだった

ー裏門ー

裏門近くに来ると人の気配がした

貴)お客様は、5人...
初めてにしてはいい方ね
この前ブリだし大丈夫かな

稽古はしてるけど最近は
仕事もあって時間が短くなってる

貴)まぁ、いいか

刀を見えないように後ろに隠し
見回りを装い普通に歩く

貴)あれ、?お客様ですか?

『ん、ここのメイドか』

貴)すみません、旦那様は
もうお休みの時間なので明日の朝に
またお越し願います

『あ?何言ってんだこいつ』

『殺っちまうか?』

貴)私、新人でお客様を通したら
クビになってしまいます...

『クビ?そんなんならねぇよ』

『お前はここで死ぬんだ』

男達が銃を構えた

貴)きゃあ、怖い!
そんな物騒な物を持った方
尚更、通せません...

『ごちゃごちゃうるせぇな!』

そう叫んだ男が銃を打つ瞬間、

ズシャッ

バタッ

血飛沫が飛び男は倒れた

『な、なんだ、!?』

『こ、こいつがやったのか!?』

『まじかよ、』

『う、うるせぇ!殺っちまえ!』

貴)あぁ、もう旦那様が起きてしまう...

そう、ほんの一瞬時間があればいい
この人数...初めてじゃないでしょ?
この前の方が多かった

バタッ

バタッ

バタッ

貴)ふぅ、終わった

ありゃ、血塗れになったメイド服
血なまぐさい臭いがする

貴)早く着替えないと

刀についた血を振り払いさやにしまうと
死体を後にした

・・・・・・・・・・・・

おもてなしの様子を見ていた一ノ瀬と諏訪部

憂)ふ〜ん、剣の腕前も確かなわけか

彼)旦那様、もう就寝の時間です

憂)今は別に執事にならなくてもいいよ

彼)そんな訳には、

憂)彼方、命令だ

彼)ッッ、はぁ...わかったよ

憂)そう、それでいい

彼)もう時間なんだけど

憂)別にいいじゃん
彼女が来て初めての客だね

彼)あぁ、そうだな

憂)普段はめんどくさいが
彼女の腕前を確認したかったから
今日は許してやろう♪

彼)はぁ、

憂)ため息つくなよ〜

彼)俺、まだ仕事あるから
もう部屋戻るからな

憂)俺も寝るかな

彼)それでは、旦那様
おやすみなさいませ

憂)ちぇ、つまんないの
まぁいいや

ガチャッ

憂)あ、彼方

彼)はい?

憂)明日、あのメイドの仕事が終わったら
俺の書斎に呼べ

彼)?承知致しました
それでは失礼致します

ガチャッ

プリ小説オーディオドラマ