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第1話

だいすき
976
2019/04/26 14:56
サナ
お疲れ様でした。ありがとうございましたー。
楽屋に着いてもなおスタッフたちに声を掛けている彼女の声が聞こえてテヒョンは思わず笑った。きっとこのドアが開いて自分を見つけたら驚くだろうと思うと目尻が下がる。

何も知らない彼女、サナはドアノブに手をかけメンバーが待っているはずの楽屋へ入る。
サナ
おまたせー!
音楽番組のMCを任されたサナはメンバーよりも終わる時間が遅く、1人廊下を歩いて来た。
テヒョン
サーナ、お疲れ
しかし楽屋にはメンバーは居らず、居たのはBTSのメンバー、Vことテヒョン1人だった。
サナ
え!?テヒョンさん!?
テヒョン
こら、オッパと呼ぶんだろ?
サナ
.......オッパ...
ためらったのち顔を赤くし上目遣いのサナを見るとテヒョンは愛しさで胸がいっぱいになった。

おいで、と言いながらサナの細い腕をひくとテヒョンは自分の胸の中に彼女をおさめる。
サナ
オッパ…誰かに見られたら……ていうか!メンバーはどうしたの??
やや焦りながらもテヒョンに抱きしめられる彼女の耳はまだ赤い。
テヒョン
ん?先に帰ってもらったよ?
なにか?と言いたげなテヒョンの顔を見つめるとサナは困ったような嬉しいような複雑な感情になった。
サナ
…それって私を待つため?
テヒョン
当然。
サナ
……そうなんだ。うれしい.......
メンバーに申し訳ないと思いつつサナはテヒョンの胸に顔を押し付け腕に力をこめる。
テヒョン
チャギヤ〜!!
クールぶっていたがテヒョンはこのサナの仕草に頭が爆発しそうになった。
こういう彼女の仕草がワザとらしくないごく自然に出来てしまう事にテヒョンは少し心配もしている。

テヒョンはサナの顔を見つめると軽くキスをした。
彼女の柔らかな唇を確かめると一度ではおさまるわけもなく、角度を変えながら何度もキスをした。


そのうちに深くなっていきサナからは甘い吐息が漏れだす。その声さえもテヒョンが更に彼女を求めてしまう理由になる事を知らずに。
テヒョン
サナ、イエッポ....
目尻に薄っすらと涙を浮かべとろんとした彼女の顔を見る。可愛い。可愛すぎる。この感情をどう伝えようか、テヒョンは再び角度を変えて唇を合わせようとした。

その瞬間楽屋のドアがノックされ開く。
ジミン
テヒョンアー、そろそろ帰ろ…ゎあっ!!
状況をすぐさま理解したジミンが慌てふためく。
サナは思わずテヒョンから離れ、邪魔をされたテヒョンは思い切り嫌な顔をした。
テヒョン
ジミナ〜!!
ジミン
ごめん!ごめんなさ〜い!!
サナはジミンに八つ当たりするテヒョンを見ながら胸のドキドキをおさえることに必死になった。
無邪気な面もあればさっきのように艶めいた姿も見せる。どちらも大好きなテヒョンの姿に彼女はすっかり夢中になってしまっていた。

テヒョン
送ってく。
ジミンとしばらくじゃれあった後テヒョンが顔だけサナに向けて言うとサナはこくんと頷いた。


















テヒョン
あーあ、ジミナのせいでサナとイチャイチャできなかったー
送りの車の後部座席でワザとらしくテヒョンがジミンに言うとサナは居心地が悪そうにうつむく。
ジミン
もう僕、謝ったじゃん。鍵かからないところであんな事する方が悪いし〜。サナちゃんも、ごめんね?
ジミンが文句を垂れながらも申し訳なさそうにサナに言うとサナは顔を上げてふるふると首を横に降る。その顔がとても美しくジミンは少し見とれてしまった。
テヒョン
......おい!ジミン!
テヒョンがボーッとするジミンの肩を叩くと
ジミン
ご、ごめん、サナちゃんがなんか、すごいセクシーで、、って僕何言ってんだろう!
テヒョンの顔が再びひどく歪むとともにサナの顔が赤くなる。そしてジミンの顔は青くなるしかなかった。





おわり

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